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そういうこと。
若者がいろいろあったけど、東京に出てきて
いろいろな人がいるって知って
なんかちょっと救われたっていう話かな。
多様性を知ってなんかちょっと元気出るみたいな。
いろんな人生を垣間見たからこそ、
自分の境遇が特別おかしいわけでもいいわけでもなんでもないと
知って少し気が楽になるみたいな。
特殊ではない、平凡な自分を発見して気が楽になるっていうかね。
富田靖子を中心にして、いろんな人の人生を描くんすよ。
富田靖子が暗いんだわ。
もうなんか若者の闇が滲み出てくる表情っていうかね。
鬱々としてる。
髪の毛なんかボサーんって連獅子みたいにボサボサ。
化粧っ気もなくて顔色悪い。
田舎でいろいろあって、
東京に出てきた女の子の話なんすよ。
母親、父親の過去が彼女に暗い影をおとしてるって感じっすかね。
母親が元芸者で父親と一緒になるのに
いろいろとあったみたいな。
それで東京の叔母の置屋で芸者見習いしながら学校通うわけ。
あの転校初日の感じ。
教室に入った富田靖子を生徒たちが品定めするみたいな視線をやる。
なんだなんだ、新入りがやってきたぞっていう顔。
富田靖子は、よろしくと弱々しい声でいうしかできない。
そんな子なので、教室でうまく人付き合いとかできないわけで
楽しい学園ライフなんかないわけです。
いつも下むいてピリピリしている富田靖子。
いつブチギレてもおかしくないピリピリ感がいいですね。
下向いて卑屈に生きてる感じがいいですね。
そんな富田靖子の周辺の人々の置かれた境遇、人生を描いていきます。
クラスメイトでボクシングやってる高嶋政宏とか出てきます。
高嶋政宏、若いなあ。
隣の席の男の子と高嶋政宏が喧嘩とかあってね。
その原因というか、きっかけを富田靖子が作ったりね。
置屋の姉さん、伊藤かずえとイッセー尾形の恋の行方とか。
そういう周辺の人々の人生模様が出てくるんだけど、
深くは描かれません。
はっきりとした内容や結末は描かれない。
富田靖子が彼らの人生の断片を垣間見たっていう感じの描き方。
それがいいんですよね。
東京のなんでもない風景の映像の中で流れていく
様々な人間模様の断片が心地よい。
いやー、映像もよかったなあ。
なんでもない映像に見えるけど、すっごい凝ってる。
富田靖子の横顔のどアップで涙が一筋流れるのを捉えるとかね。
すごい密度の高さを感じる、ぎっちりつまった濃い映像でいいなあ。
なんでもない日常の風景が、すごく輝いて見えた。
学園祭で富田靖子が八百屋お七を踊ることになって
富田靖子を文楽人形に見立てて後ろで黒子二人がついて踊るんだけど
そのシーンもいいんだよね。
ピリッとしてる空気が張り詰めた感じ。
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