なんか川とか森とかあって自然が気持ちいい土地みたいな感じです。奥さんはガーデニングにこってて庭の植物をせっせと手入れ。息子たちも元気いっぱい、わんぱく坊主って感じ。楽しい家族の楽しい毎日って感じ。
日常の風景なんだけど、ところどころにぞっとする描写がはさまれていく。服が運ばれてきて、奥さんは毛皮のコートを自分のにして、お手伝いにブラウスとかワンピースとかを好きなのもっていきなってやるんだけど、その服はいったいどこから、誰のものかっていうね。
収容所のユダヤ人から没収したもの。奪って自分のものにするのが当たり前。日常の普通のこととして描かれる。息子が銀歯かなをコレクションしてるのも、うげえって感じだし。
所長が息子たちと川遊びに行ったら、なんかあれ?ってなって川に骨とか流れてきて、うわってなって家に帰ってすぐに体を洗って消毒する。川に灰が流れ込んでた。収容所で燃やしたあとのものが捨てられて川に流れ込んでるみたいな感じですかね。
そんな感じで優雅な家族の楽しい田舎暮らしの描写の合間合間に不穏な不安な描写がはさまれるという描かれ方です。
そんで所長が出世して栄転とかで、別のところに異動することになるんだけど、所長はここの収容所所長の仕事を続けたいのでどうにか上司に口利きしてもらおうとかいろいろやります。
奥さんにこのことを話したら、いやよ、わたしはここに残るからあなただけ単身赴任でいけばいいじゃないのって言う。あなたと離れるのは悲しいけどってわざとらしく泣いて見せる。この家での生活が奥さんにとっての夢の生活。自然にかこまれて好きなことだけやって、贅沢しほうだい。
ここから離れるなんてとんでもないって。でも収容所のすぐ横ですよ?っていうね。人が毎日殺されてる、その気配をずっと感じながらの暮らし。
母親ですかね。奥さんの母親が呼び寄せられて滞在してたんだけど、日光浴してたらなんか灰かなんかが飛んできて咳き込んじゃうし、夜も収容所の明かりは消えず、音がしてるしで、耐えきれなくなったのか、奥さんになんも言わずに帰っちゃう。
子供たちも意識はしてないけど、ここの暮らしで精神に影響をうけてる。まあでも奥さんにとってはすぐとなりの収容所でなにがおきてるのかは、興味の外側。まったく関係がないこととして処理してるから、なんとも思わないってことなんすかね。
関心がない無関心領域の事柄は意識の外側に追いやられて存在しないも同然になる。
虐殺が行われてても自分とは関係ないし、死人からはぎとった毛皮のコートをはおることになんも抵抗がない。ポケットにはいってた口紅も使ってたけど、慣れっこなのか、まったく抵抗ない感じだった。
彼らの関心は家族との日々の暮らし、愛人との情事、仕事、そんなもんです。
そんで所長は単身赴任するんだけど、また収容所所長として戻れることになったんかな?電話で奥さんに、また戻れるようになったよってうれしそうに報告。計画してた焼却炉を2交代でフル稼働させるシステムの実現が楽しみだとかなんとか。
所長にとって収容所で虐殺することは仕事でしかなく、どうやって効率よく仕事をするかしか興味がない。彼の関心は仕事を効率よく完遂することにしかない。
そうはいっても無意識ではこれは非道な行いだと思ってるのか、ゲエ~ゲエーって吐きそうになってましたっけ。頭ではなんとも思ってないけど、体のほうが拒否反応でてるみたいな吐き気をもよおしてた。
そして場面は現代にうつって、今では記念博物館となってる収容所あとを清掃のおばちゃんたちが掃除するシーンになります。観客につきつけてくる感じですね。
今まで見てたことをただの映画だと思って、自分とは関係のないことだと思うのか、それとも自分とはつながってる歴史の1ページだと思うのか。あなたはどっちですかみたいな。
劇中の奥さんと観客も同じではないかという問いかけをしてくるラスト。
まあそんな感じですかね。
オープニングとエンディングにホラー映画みたいなおどろおどろしい音楽が流れるんだけど、あれはあんまりよくなかったですね。使うならもっとさわやかで明るい音楽を流すべきじゃないか。
収容所所長家族にとってはあれが日常の暮らし。見てるこっちからしたら異常な暮らし。なわけだから、怖そうな音楽より普通の楽し気な音楽が使われるほうがギャップ大きくなって衝撃が大きくなったと思う。
不気味な音楽流すとなんか一気にエンタメホラー映画っぽくなっちゃうし。
ところどころでネガポジ反転みたいな映像になって、現地の少女がリンゴ?かなんか食料をあちこちに置いてまわる映像が挿入されてたけど、あれはなんだろう?よく意味がわからなかったけど、なんか意味あったんだろね。