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『落下の解剖学(原題:Anatomie d'une chute/Anatomy of a Fall)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


ジュスティーヌ・トリエ監督、ザンドラ・ヒュラー主演。ミステリーかと思いきやミステリでなかったです。設定はテレビの火曜サスペンス劇場みたいなのに。夫が転落死。妻が殺したのか、事故か自殺かっていうミステリーかと思ってみてたけど違った。犯人がだれか、他殺か自殺か事故かはまったくどうでもいい話。落下して人が死んだという事実の周辺の人間がどう動いてどう気持ちが動いたか。それを描くドラマ。

だから題名が落下の解剖学なのか。事件周辺の人間模様を解剖のようにあらわにしていくよっていうね。どんな夫婦関係だったのか。息子との関係。そこらへんを描く。

いやー、なんだろ。これは殺人ミステリー、法廷ミステリーだと思ってみた人は肩透かしですね。結局、なんだったのか、殺人か事故か自殺かっていう決着はつかない。判決はでるけどね。

決定的な物的証拠や目撃証言がないので、それぞれが自分に都合のいいストーリでこの転落死亡事件を語るだけです。検察は妻のザンドラ・ヒュラーが殺したというストーリーを語るし、弁護士はそれを否定するし。

ザンドラ・ヒュラーは夫は精神不安定だったから自殺かもと言うし。雪山の山小屋の3階だっけの窓から落下して死んだらしい。落ちる前についた頭の傷、落下したところにある小屋の壁についた血痕。奥さんの腕にあざ。

息子は事故で目が悪くなってしまって、完全に見えないわけじゃないけど限られた範囲、近くだけしか見えない視覚障碍者。彼が犬の散歩から帰ってくると父親が地面に倒れて死んでいた。第一発見者は彼なんすよ。

死んだ父親はその日、3階でDIYの改装作業をしていた。ザンドラ・ヒュラーは1階で学生からインタビューをうけていた。彼女は作家なんすよ。実際に自分にあったできごとを小説にするタイプの作家で何冊かだしてる。

大音量で音楽を夫がかける。作業するときはいつもこうだって、うるさいからインタビューにならないから今日はやめにしましょうってインタビュアーの学生が帰る。息子が犬の散歩に出る。そして散歩から帰ってきた息子が地面で死んでる父親を発見したっていう流れ。

それで裁判のなかで、検事がいろいろとつっこんでくるわけ。妻が殺した殺人だと主張していく。夫婦仲がよくなかったんじゃないか、もめてたんじゃなかったかって。夫はなんかいろいろ悩んでてうまくはいってなかったみたいなんすよ。

もともと作家志望で書いてたんだけど、息子が事故で目を悪くしてからどうも歯車がくるってきたらしいです。高額な治療費、息子の自宅学習の面倒、山小屋の改装、そういうことに時間をとられて小説を書くことがなくなっていった。

一方奥さんは夫が途中で書くのをやめた小説のプロットをひきついで小説を書いてうまくいっていた。その後もマイペースに書いてうまくいっている。家事や息子の世話はお手伝いさんを雇って自分はやらない。

そんでバイセクシャルで、何度かほかの女と浮気したりとか人生楽しんじゃってる。インタビューにきた女学生も誘惑しようとしてたんではないか。うまくいかない夫とうまくやってる妻。夫は自分は犠牲になってると不満をもち、妻はわたしがやってと頼んでないのに被害者ぶってと不満をもつ。

家庭学習は大変だと言ったのにあなたがやるっていったし、ここに引っ越しすることを決めたのもあなたで改装を自分でやるといったのもあなた。なのになんで自分がせめられなきゃいけないのって?

小説を書く時間がなくなったっていうけど、書かないだけでしょうって。

なんかほんとうまくいってない夫婦って感じなのがあきらかになっていく。妻がドイツ人で夫はフランス人だっけ。昔は楽しかったのになあって感じで、昔の写真がときどきでてくるのがなんか悲しかったですね。

事件前日の夫婦喧嘩の録音なんかがでてきたりする。夫は小説の材料にするために、生活をいろいろと録音してデータにしてためてたみたいで、前日も偶然録音されてたらしいです。まあ、録音してることを意識して夫がわざと喧嘩をふっかけておおもめするようにもっていってるような感じもするが。

まあ、夫婦仲は悪いのはわかるが、事件当日のことはわからない。

あと後半は息子が主役になっていく。息子と父親、母親との関係がどうかっていう話。裁判で証言するんだけど、彼も別に決定的な場面を目撃したわけでもなく、なにか決定的な事実を知ってるわけでもない。

だから彼からみた印象で、母親は殺してないと思うって証言するだけです。しかし、あの犬のシーンはわけわからんかった。かしこい牧羊犬の飼い犬がいるんだけど、その犬にアスピリン入りの餌を食わせる息子。

アヘヘヘエって完全にいっちゃった目つきで昇天しかけになる犬。大変だ死んじゃうよおって助けを呼んで、付き添いの人がスマホに犬を吐かせる方法を聞いて、塩水を飲ませればいいということで塩水を飲ませて餌をはかせて犬は死なずにすむ。

なんでこんなことをしたのかというと、母親が昔、夫はアスピリンを大量に飲んでそれを吐いたことがあった、あれは自殺未遂だったのではって証言してて、息子はそんなことがあったと気が付いてなかったけど、確か犬の様子がおかしくて眠ったようになったときがあったから、父親が床にはいたアスピリンを犬が口にしたんではないかと思って

そのときの再現をしてみようと犬にアスピリン入りの餌を食べさせてみたということらしいのだが、まったく意味不明だった。

あのときと一緒だってなにしとるんだ、動物虐待じゃないか。撮影はどうやったんだろ。犬が眠りかけの演技を自発的にできるとは思えないから、なんか薬かなんかでああいう状態にしたのかな?

わんこの迫真の名演技。演技じゃないか。

まあそれで裁判は無罪判決です。疑わしきは罰せず。なんも決定的な証拠がないので。弁護士と祝杯をあげて陽気にふるまうザンドラ・ヒュラー。この弁護士もなんかあるんすよ。ザンドラ・ヒュラーの昔の知り合いらしいんだけど、ザンドラ・ヒュラーに気がある。

気があるのを利用してザンドラ・ヒュラーが雇ったというふうにも見える。息子が待つ山小屋にかえったザンドラ・ヒュラーがはほっとして横になりそこに犬がよりそってきて一緒に眠るのだった。おしまい。でしたっけ?

あんまり覚えてないんだけど、結局のところ犯人捜しミステリーではまったくなかったという映画だったというのは覚えています。

ミステリーサスペンスとしか思えないような設定と展開なのに、そうじゃないというのが新鮮だったのかな。賞をいろいろ受賞してますね。アカデミー賞の脚本賞、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールとってるんだ。

まあなんかストレートにおもしろかったのかというとあんまりでした。けっこう長いって感じるシーンが多かったかな。裁判のシーンとかけっこう長いです。



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