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『フェラーリ(原題:Ferrari)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


エンツォはつらいよ、フェラーリ物語。予告編とかみるとレース映画かなって思ったんだけど、中身は人生ドラマでした。レースのシーンも後半クライマックスで描かれてたけど、ほとんどが人生でおきる苦難を描くのに費やされる。

家族問題、金銭問題、勝負の勝ち負け問題。フェラーリは破産寸前。このままではどこかに身売りするしかないという状態。同じくエンツォ・フェラーリの家庭も破綻寸前。妻のペネロペ・クルスとの関係は最悪。

よそに愛人をかこってて、そっちにはまだ幼い息子がいる。本妻と愛人の家をいったりきたりの生活です。愛人との間にできた息子を認知してフェラーリの姓をつがせるかどうかで悩んでいる。

ペネロペとのあいだにできた息子、ディーノを幼くして病気で亡くしてるんすよ。それでペネロペとの関係が冷え切ってしまったようです。

母親もいるんだけど、母親はエンツォよりも兵隊で戦死した長男のことをいまだに思っている。長男ではなくエンツォがかわりに死ねばよかったんだって。

もうぐちゃぐちゃ。家族というつながりで同じ家に住んでいるけども、それぞれの気持ちは別方向に向いててなにひとつかみあってないという殺伐とした暮らしぶり。

オペラ鑑賞のシーンでそれぞれが一番よかったときのことを思い出してるのが切ねえ~。

エンツォをアダム・ドライバーが演じてるんだけど、終始辛そうなというか、苦虫を嚙み潰したような顔というかをしています。心休まるのは愛人と息子とすごす短い時間だけ。

エンツォはレースに人生かけてる。自分ももとレーサーで、誰よりも速い車を作りたいという情熱が彼を支えています。

レースに勝つことがフェラーリの経営の立て直しにもつながるということで、次のレースには絶対に負けられない。なんだけど、いきなりテストドライブでクラッシュしてレーサーが一人死んじゃいます。

このクラッシュがすごい。車も運転手も空中に空高くマンガみたいに吹っ飛んで地面にたたきつけられる。この時代の車の安全装備はゼロ。シートベルトすらないみたいでした。運転席もむきだし状態だもんなあ。

だから車がなにかでコントロールを失うとドライバーは投げ出されて死ぬのが珍しくなかったんすね。まさにレーサーは命をかけて走ってるというのがわかる。そんで若手のドライバーをやとってレースにのぞむ。

レースに集中したいけど、ペネロペともめててこっちにも神経使って大変です。ペネロペが会社の権利の半分もってるから、エンツォひとりですぐに判断できなくて、他社との交渉に支障をきたしてるからペネロペの権利をわたしてもらう。

かわりに小切手わたすけど、交渉が終わるまで現金化するなよっていう約束で。その手続きのなかで、知らない人間に会社からお金が払われてることに気づいたペネロペが愛人の家をつきとめて、愛人と子供がいることを知ってしまう。

うわー、修羅場だあ。レースどころじゃないぞって見てて思ったけど、レースは待ってくれない。愛人は息子にフェラーリの苗字くれるのくれないの?ってせっついてくるし、エンツォに決断を迫られる難題が重なって襲ってくる。

後半ラリーのシーンになるんだけど、公道をぶっ飛ばすレースなんすよ。サーキットとかじゃないから。普通の道をレーシングカーで走ってるのがめちゃくちゃ怖く感じた。なんか不吉だぞって。

若手のドライバーが恋人に遺書っていうか、手紙を書くシーンがあってすごいフラグ感がしてました。レースは長時間、長距離、なにがおこるかわからない。ドライバーはみんな家族に手紙書いてたけど、ほんと遺書みたいなもんですね。

そんでレースはリタイヤ続出のなかフェラーリは善戦。若手ドライバーもなかなかいい線いってて、最後のピットインで急いでるからということでタイヤ交換せずに出発しちゃう。うわー、こりゃまたフラグたったぞみたいな。不吉。

そしたら道路のでっぱりにタイヤをひっかけてバーストして大クラッシュ。沿道に集まっていたギャラリーをなぎ倒して死傷者多数をだす大事故をおこして、ドライバーは死んでしまう。

このクラッシュシーンもきつかったなあ。怖すぎる。まともに観衆の列をなぎ倒すかたちになってて見るに堪えない大惨事。

レースは、フェラーリのベテランドライバーが優勝したのでフェラーリが勝ったのだけど、この事故があってまったく喜ぶムードにはならない。事故の処理や責任問題においつめられるエンツォだが、彼を援護してくれたのは意外にも妻のペネロペだった。

ペネロペは小切手を現金化。約束ではまだしないはずだったのに、なぜだってアダム・ドライバーは怒るのだが、ペネロペはこの金を使えっていうわけ。

善人ぶらずに、言いたいこといって、やりたいようにやれって。このお金を使ってだまらせろって。お金は貸すだけで、条件はわたしが生きてるあいだは、よその子供を認知しないことって。なんだかんだいって、長年つれそった年の功があるなあみたいな。

息子ディーノの墓参りに行くアダム・ドライバー。そこに愛人との子供がきて一緒に墓参り。おまえの兄貴を紹介するよ、いつか会わせたいと思ってたんだっていうかんじでおしまい。

エンドロールでそのごのフェラーリ一族が字幕で紹介されます。結局、ペネロペが亡くなったあとに息子は認知されてフェラーリ姓になってレーサーになってそのあとにフェラーリの副会長になったとかだっけ。

いやー、ほんとなんか人生のつらい局面をいくつもむかえるつらい男の映画だったですね。ほんと男はつらいよ映画だった。





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