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『シビル・ウォー アメリカ最後の日(原題:Civil War)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


内戦状態になったアメリカで大統領のインタビューをとろうと戦場の最前線をすすんでいく戦場カメラマンたちのお話。監督はアレックス・ガーランド。出演はキルスティン・ダンスト、ケイリー・スピーニー、スティーヴン・ヘンダーソン、ワグネル・モウラ、ジェシー・プレモンスら。

詳しい状況は説明されないけど、なんかアメリカの州がバラバラになってて、テキサスとカリフォルニアが同盟を組んで西部勢力を結成、フロリダはフロリダ同盟を結成、2つの勢力が二つ星の星条旗のもと連合して政府打倒の攻撃を仕掛けている状態みたいです。

大統領はトランプがモデルなのか、独裁者。政府は降伏をうけいれるとかなんとか、大統領側が優勢のような演説の練習をしていたが、実際は西部勢力らの勢いがすごくて、ワシントンDCへ侵攻中でホワイトハウス陥落も近いという状況のようです。

もうこの勢いでは大統領を倒すのも時間の問題かみたいな。戦場カメラマンのキルスティン・ダンストたちは大統領の最後のインタビューを記録するためにワシントンDCへ向かうことにします。戦場カメラマンとしてはこの世紀の瞬間をカメラにおさめないとって。

キルスティン・ダンストは数々の戦場を渡り歩いてるベテランの戦場カメラマン。ワグネル・モグラは雑誌記者かな?ベテラン記者のスティーヴン・ヘンダーソンはキルスティン・ダンストの師匠的な存在。そこに戦場カメラマンになりたいという新人のケイリー・スピーニーが加わる。

性別も世代も経験値も違う4人の擬似家族のようなチームが道中なにを見てどうなるのかっていうロードムービー。いやー、けっこううまくできてて、お話に入り込んで見れたのでぜんぜん退屈しなかったですね。

緩急がうまい。ずっと緊張が張り詰めてるわけじゃなくて、緊張が緩むシーンがあってからの超緊張シーンがくる、また弛緩してからのまた超シリアスみたいな。話の展開の緩急のつけかたがうまかった。

ガソリンスタンドで私刑で人が吊るされてるのを見たり、難民キャンプがあったり、激しい戦闘で銃弾に倒れる兵士。戦闘終了で敵の兵士を処刑するとこ見たり。

最初、若いケイリー・スピーニーはズブの素人で戦場カメラマンとしてどうすればいいのかわからないし、経験もないのでぜんぜんうまくやれない。落ち込んだり興奮したり、それをベテランのキルスティン・ダンストが教育していくって感じです。

戦場の現場で、どうすればいいのか、よかったのか、そういう自問自答をやってもきりがないから、その場を記録することだけに集中しなさいって。

新人を鍛えるベテラン。キルスティン・ダンストがいい味でてる。渋みのある顔。キルスティン・ダンストがこういうすごみのある役をやるようになったとはね。秋葉原でメイドのかっこうして踊ってたのが遠い昔。

キルスティン・ダンストは冷静。でもちょっとなんか疲れてるような感じもしました。何十年も戦場カメラマンやって死ぬかもしれない状態の繰り返しで、麻痺してるというか、もうそういうのが嫌になってるというか、気持ちがどこかに行ってる感じ。

スナイパー同士のやりあいに巻き込まれて、地面にふせているときに、キルスティン・ダンストは地面の花をぼんやり見てたりするわけ。このひと大丈夫?みたいな。

疲労してるというか、あまりにも大きなストレスにさらされ続けたことで、心がどうにかなってるのか、戦場カメラマンという仕事に疑問をもってるような感じ。全力投球できてない感じというか。

一方ケイリー・スピーニーは、若さの強さで現場でノウハウを吸収してどんどんカメラマンとして成長していきます。こっちはやる気満々。

キルスティン・ダンストの若いときこんなんだったんだろうなあみたいな。ちょっと調子乗りというか、向こう見ずな性格の女の子。

そんで車でぶーんって走ってたら、後ろから不審車が猛スピードで近づいてくる。やばいやつらかもって緊張感が高まるんだけど、運転してたのはジャーナリスト仲間の知り合い二人組で、なんだよびっくりさせんなよってホッとする。

ひゃっほーいって悪乗りしてこっちからそっちに移るぜって走行中のまま一人が乗り込んでくる。そしたらケイリー・スピーニーも調子乗って、わたしもこっちからあっちの車に乗り移る!って窓から窓へ。やるじゃん!ヒャッハーってはしゃいで車は先にいく。

そしたらなかなか追いつけない。どこ行ったんだって探してたら、農場みたいなところに車が止まってる。ドアがあいたまま。これはなんかやばいことになってるのではと進むと、武装したジェシー・プレモンスたちに捕まってる。

赤メガネのジェシー・プレモンスたちは大量の死体を穴に埋めてるとこ。さっきまでの仲間内でふざけて笑ってた楽しいムードが一変。これは死んだっていうシリアスなムードに切り替わります。こういうのがうまいですよね。

落差がすごい。

途中の街が内戦状態だとは思えない静けさでいつもの退屈な日常の時間が流れていて、キルスティン・ダンストたちがびっくりするというシーンもある。

服屋に入ってみると、店番の女の子は退屈そうに本読んで、試着するときは呼んでとダルそうにしてる。内戦にはかかわらないようにしてるのって。

内戦がおきてるけど、アメリカ全土で戦闘がおきてるわけじゃなくて、州ごとに温度差がある。ケイリー・スピーニーやキルスティン・ダンストの親も田舎で我関せずの生活してるとか言ってましたね。

そんでジェシー・プレモンスなんすけど、見るからにやばそうなやつらでやばいことやってる。ケイリー・スピーニーともう一人を救うために、しゃあないからキルスティン・ダンストら3人が話し合いをするために近づく。

そしたら話し合いできるような相手じゃないんすよ。お前はどこのアメリカ人だ?って質問して気に入らない答えだと容赦なく撃つ。ジャーナリスト仲間の二人は中国系アメリカ人みたいなんすけど、香港出身って言ったらそく撃たれて殺されてました。

こりゃだめだ、全員死んだなって思ったところに、スティーヴン・ヘンダーソンが車で突っ込んできてキルスティン・ダンストら3人を救出。その場を脱出しますが、スティーヴン・ヘンダーソンが流れ弾に当たって致命傷。

お腹を撃たれてたんだけど、血を止めようとしたり、救急キットで応急処置しようとか誰もしないのがよくわからなかった。ほったらかし。え?みたいな。もうなにしても無駄だと思ったからなんもしなかったのかな?

西部軍のキャンプ?かなんかについたときには死んじゃってます。また森が火事になって燃えてるところを抜けていくのが幻想的で死の国へむかってる感じがしましたね。

西部軍とともに行動してる従軍記者の情報でもうすぐ首都陥落するのがわかる。おれたちは出遅れてる、なにも収穫なしのうえにスティーヴン・ヘンダーソンを失ったと感情を爆発させるワグネル・モウラ。

一方のキルスティン・ダンストは静かに車のシートにたまった血をたんねんに掃除する。なんかここでキルスティン・ダンストのなかでなにかがぷっつりと切れたような感じです。

そんでワシントンDCの首相官邸への突入をカメラでとるんだけど、キルスティン・ダンストはこころここにあらずでまったくカメラを構えることができない。ケイリー・スピーニーはそれまでの未熟さが嘘のように縦横無尽に戦場を動き回り写真を撮っていく。

ノリノリで臨場感ある写真を取りまくる。

ついに門を突破し、中から大統領専用車が脱出しようと猛スピードででてきてクラッシュするんだけど、キルスティン・ダンストはあれは大統領じゃないって言って首相官邸のほうへ歩いていく。

車はおとりで、大統領はまだホワイトハウスの中に隠れている。西部軍が突入していくのについていくキルスティン・ダンスト、ケイリー・スピーニー、ワグネル・モウラ。

ケイリー・スピーニーが覚醒しすぎて危険なポジションで写真をとろうとしたのを見て、キルスティン・ダンストは彼女をかばってかわりに撃たれて死んでしまう。撃たれてくずれおちていく姿をカメラで記録していくケイリー・スピーニー。

現場では記録することに徹しろという言葉を体現することができてるわけだけど、キルスティン・ダンストはあの土壇場で記録することではなく、ケイリー・スピーニーを助けることを考えてああなるわけで。

なんかおもしろいですね。ベテランで経験豊富で戦場で私情を挟むのは禁物と言ってたやつが、それをやぶる。もうあれは自殺だったんじゃないかと思うなあ。もうキルスティン・ダンストはうんざりしてたんだろなあと。

戦場でおきてることをただ見て記録して観察者としていることにうんざりしてて、ああいう行動にでたんじゃないのかな。記録者としてではなく、その現場の当事者として存在することを選んだ。

そんな感じの行動に思えたなあ。

そんで大統領を発見。最後に言いたいことはあるかと聞かれて、おれを生かすようにしろという大統領。それだけで十分だって西部軍が大統領を撃ち殺して作戦は終了する。

エンドロールは大統領の死体のまわりで笑顔でポーズをとる兵士たちの写真です。写真には殺されたものと殺したものがおさまってる。それを見てどう思うのかは見る人次第。政府側からすれば残虐行為で喜ぶ非道なものたちだし、

西部軍側からすれば悪の独裁者を倒した英雄たちの写真だし。

キルスティン・ダンストの疲れ切った渋い顔。ケイリー・スピーニーの若さで成長していく覚醒無双。ジェシー・プレモンスの狂気の赤サングラス。

緊張と弛緩の使い方がうまくて、あっという間に退屈せずに見終わった。



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