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『ドリーム・シナリオ(原題:Dream Scenario)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


もっとスリラー、ホラーな映画かと思ってたんだけど、見てみたらそういうのではなかった。中年男のやるせない人生を描くドラマでした。ニコラス・ケイジ演じる男の、おれはもっと認められていいはずだ、こんなもんじゃないはずだっていう自己顕示欲、承認欲求が満たされないフラストレーションの人生ドラマ。

ニコラス・ケイジは普通の平凡な大学教授。妻と娘二人と普通に暮らしてる。自分からしたらすごいいい暮らししてるように思えたけど、映画の中では平凡で面白みもないつまらない人生の男のように描かれてました。

教授っていっても学生から人気があるわけでもなく、これといって業界での実績があるわけでもなく、頭はハゲててやぼったい。なんかどんくさいやつみたいな描かれかただったかな。

昔の知り合いに自分の研究アイディアを盗まれて論文を発表されたとかで、自分の名前ものせてくれと話し合いとかしてたけど、ぜんぜんうまく交渉できず相手に、アイディアと実際に研究するのとは違うと丸め込まれて、うーん、ってだんまり。

本を書くつもりだと思ってるけど、ぜんぜん書いてない。まあ、よくいるタイプです。いつかはおれもすごいことするぞって思うだけで実際はなんもせず、現状がただ過ぎていって中年すぎて老年をむかえて焦る。みんなそうですよねえ。

そんでなぜかニコラス・ケイジが夜寝て見る夢の中に出てくるとだんだん話題になっていく。学生の大半がニコラス・ケイジの夢を見たというような異常事態。ニコラス・ケイジは夢に出てくるが、なにもせずただ見てるだけだという。

ニコラス・ケイジが出てくる夢を見る人がどんどん増えて、ニコラス・ケイジは一躍有名人になる。わけがわからないけど、ニコラス・ケイジは少しうれしがる。有名になったら、本を書けるぞって。

なんかこれもズレてるというか、どんくさいやつというか。予期せず有名になって、それを利用してお金稼ぎするとか、タレントみたいなことやるとか考えない。出版社と契約して研究の本出せるぞどまりのことしか思いつかない。

PR会社と契約して、会議でスプライトのWEB広告やらないかって言われるけど、そんなのやりたくないってかたくなに断る。おれはそんなことでお金稼いだり、有名になったりしたいわけじゃない、研究で本出して名を残したいんだって。

このへんの頑なさがしつこく描かれる。長え~って思うぐらい入念にニコラス・ケイジのこりかたまった融通のきかなさが描かれます。

アリの研究だっけ?なんか動物のことを研究してる教授っていう設定だったかな。シマウマのあの白黒のしましまはなぜあるのか。あんな不自然な模様は目立ってしまって危険なはずだけど、あれは群れでひとかたまりになってると個々を識別できなくて、迷彩になって逆に安全なんだ、

とかなんとかいう話をよくしてました。グループの中で目立たないことが安全で、目立つと危険。ニコラス・ケイジは社会でまったく目立たない存在だった。それが夢のことで有名になったことで彼に危険がふりかかってくる。

夢の中でなにもせずに見てるだけだったニコラス・ケイジが、だんだん行動しだす。PR会社会社のアシスタントの女の子の夢のなかではニコラス・ケイジは激しいセックスをする。

あまりにもそれがよかったためにアシスタントの女の子は、実際でもニコラス・ケイジと寝たくなって部屋に誘ってきます。え?おれと?いや~、君とは年が離れすぎてるよ、えへへへへって及び腰のニコラス・ケイジなんすけど、誘いを断れず部屋に行って彼女の夢の再現をすることに。

だけど、夢の中でのニコラス・ケイジと現実のニコラス・ケイジは大違い。夢の中のニコラス・ケイジは自分でリードして激しい愛撫をくりだし、彼女をメロメロにしたのだが、

現実のニコラス・ケイジは緊張で屁こいたり、彼女に触られただけで果ててしまう。え?今のでいっちゃったの?って。ニコラス・ケイジは逃げるようにホテルに帰って、ちくしょう、こんなはずではって涙でシーツをぬらします。

これを境にニコラス・ケイジが出てくる夢の内容が変わっていく。見てるだけだったのが、行動し始める。それも恐怖の悪夢になる。ニコラス・ケイジが出てきてひどいことをする夢をみんなが見始める。

だいたいがニコラス・ケイジが襲ってきて殺されるという悪夢。ニコラス・ケイジ自身も見るんすよ。ボウガンで撃たれて逃げ回る夢で、ホウガン男は自分っていう悪夢。

あまりにも強烈でリアリティがある悪夢なので、みんなニコラス・ケイジに嫌悪感を抱き始めて嫌がらせや排斥行動をしはじめます。学生は授業をボイコット。飯屋で食ってたら、他のお客さんが不快なので退店してくださいと言われるとか。

知り合いのディナーに招かれて行ったんだけど、そいつの奥さんがニコラス・ケイジの顔を見るのも不快だとディナーは終了。みんなニコラス・ケイジがあらわれて自分を殺す夢を見てる。

なんで?って。夢に出てきたからなんでこんな目にあわされなきゃいけないんだってニコラス・ケイジは抵抗するんだけど、最後は娘の出演する学校の劇を来るなと言われてたのに、強引に観劇しようとして教師に偶然怪我を負わせることになって大騒ぎに。

夢の出来事と現実出来事がごちゃまぜになって騒ぎが大きくなって人生終了~。奥さんや娘とも離れ離れになることに。

そんでこっからちょっと変な展開になります。ニコラス・ケイジがおおくの人の夢に出現した現象を研究した企業が、その仕組を解明。他人の夢に出ることができるデバイスを開発して売り出してます。

他人の夢に現れて商品やサービスのコマーシャルに使ったり、夢インフルエンサーとして有名になりたい人とかが便利に使えるサービスとして。

この腕輪で誰もが誰かの夢の中にでられますみたいな。ニコラス・ケイジが夢に出てくる現象は、ニコラス・ケイジが意識せず、他人の夢の中にでる方法を偶然成功させていたことによる現象だったようです。

ニコラス・ケイジが現実でなにもしない、なにもできていない男だから、それが偶然夢にでる現象とつながって、ただ見てるだけという夢になってたみたいな?

早漏で恥かいたことの怒りで、ニコラス・ケイジが夢の中で相手を殺すという夢になっていたってことかな?なにもできない情けない自分へのフラストレーションが他人を攻撃するという形で噴出したのがあの悪夢ってわけか。

ニコラス・ケイジは偶然、夢にでる能力を無意識に使ってただけなので、今はもう彼が他人の夢にでることはなくなっている。

大学からの賠償金と企業の研究に協力した報酬でなんとか暮らしてます。念願だった本を出版することもできて外国でサイン会ツアーにでるんだけど、本はあの悪夢の男が書いたセンセーショナルな本という翻訳がされてて

ニコラス・ケイジが思ってたのとは違うかたちになっちゃったけど仕方ないかって。そんでニコラス・ケイジは腕輪をつけて、奥さんの夢に出る。

火あぶりになって絶体絶命の奥さんのところに、肩パットの入ったジャケットを着たニコラス・ケイジがさっそうとあらわれて奥さんを救出する。

これは騒動が起こる前に、奥さんと夢の話してて、奥さんが夢のなかで困ってたらデビッド・バーンの仮装したスーツ姿で助けにかけつけてよって冗談言い合ってた。若い時にハロウィンかなんかでニコラス・ケイジがトーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンの仮装してたのがかっこよかったと奥さんの印象に残ってたから、あのかっこいいあなたになって助けてねって。

それを実行したわけだけど、現実では騒動になって家庭は崩壊。奥さんや子供たちを守ることはできなかった。

夢のなかでは奥さんと幸せそうに抱き合ってるけど、現実はそうじゃない。

これが夢じゃなかったらいいのにねってぼやいておしまい。だったかな?

あんまおぼえてないけど救いのないエンディングでしたね。どこまでいってもニコラス・ケイジは現実ではうまくいかないというね。

でもさ、思ったのが、この映画の主人公は十分勝ち組じゃないのかって。ちゃんとした仕事はあるし、結婚もしてて奥さんと娘が二人もいて、いい暮らししてるし、めちゃいい人生じゃないかって。

大した仕事してなかろうが、学生から人気なかろうが、友達からも軽く見られてようがそんなことは大したことじゃないだろって思えるんだけど、

主人公の男からしたら、満たされない人生だというのがほんと救いがなくて悲しい話だね。理想と現実の乖離で不幸になってる男の話かな。

なんかもっとホラー映画みたいなものを想像してたんだけど、そういう映画ではなかった。けっこう小難しい感じのドラマでした。

中年男のなにもできない、なにもやれてないという焦りと不安のドラマをB級スリラーっぽいかたちでやってる。

ニコラス・ケイジが夢に出てきて騒動になるという設定は、エンタメ的な味付けにすぎない。悪夢がメインのホラー映画のフレディのやつとかとは違う。

別に夢に出てくるという設定じゃなくてもいいわけです。もっと現実的でふつうにありそうな形で有名になるという設定でもいいわけだけど、それじゃあ観客の興味をひけないから、こういう極端な飛躍した設定にしたんだろみたいな。

こういうの最近けっこう多いですね。B級ホラーやC級スリラーの形式で映像を作るけど、ないようは小難しいシリアスなドラマっていうの。A24の映画はそういうのが多いような。

ルックはB級映画だけど、中身は真面目なドラマっていうのが最近の映画のトレンドなのかな。





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