まあ一応なんかおかしなことが起きて大変なことになっていっているというのを描写します。登場人物が次々と消えていく。でも全然怖くはない。大変なことが起きているっていう描写が続いているのに、見てて全然なんとも感じない。
なんだろうなあ。切迫感というか、緊張感というか、そういうのが全然ない。主人公たちがどうなろうがどうでもいいじゃない?みたいに思える。なんか観客に主人公たちに感情移入させるなにかがない。
じゃあ、びっくり箱系の脅かしホラーなのかっていうとそういう作りにはなってないです。ホラー映画での定番、突然の大きな音で驚かせるやつとか、振り向いたらそこにいるみたいなやつとか、そういうびっくりさせる系でもない。
あやしいやついますよ~、来た来た来た~、あー、やばい~みたいな。幽霊が普通に出てきて普通に近づいてきて魂吸い取りますみたいな。全然びっくりはさせない作りです。
淡々と世界は幽霊たちによってやばいことになってますよっていうのを見せていって、最後もなんだかいつの間にか終わったみたいなとくに区切りのない終わり方してました。
これは黒沢清の不安な感じを再現しようとしたら、うまく再現できなくて、黒沢清的な不安な不気味さもない、ハリウッド系ホラーのシンプルな恐怖描写もない、どっちつかずのわけのわからないものになってしまったっていう感じなんじゃないかな。
微妙な感じ。日本的な情緒ある恐怖。そういうのをうまく再現するってなかなか難しい。なんかはっきりとした手法っていうか、これやったらいいみたいなのがないわけだから。
もう割り切ってショック系にしてハラハラさせてくれたほうがよかったのになあ。上映時間も短くて見やすいけど、なんかだるく感じるし。洗濯機から洗濯物をポーンポーンって幽霊が投げ出してくるシーンで笑ったぐらいかな。