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『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』【映画のあらすじとネタバレ感想】


これは難しい。戦争を題材にドラえもんをやるのはシリアスすぎないかって思っちゃった。子供のときだったら、なんも考えずにのび太たち勝った~、やった~っておもしろがれたかもしれないけど、大人になってこれを見るとけっこうやばい。

まるっきり戦争の話なんすよ。シリアスで暗い重い題材。内乱によって星を脱出した小さな宇宙人が地球に偶然不時着。のび太、ドラえもんたちと出会って、交流を深める。その宇宙人は大統領で星は軍事政権にのっとられかけている。

俺たちゃ仲間だろ、黙ってられねえぜ!ってことで大統領に手を貸すことになって戦争に参加するのび太たち。やばいっすよ、この話。宇宙人が小人であったり、敵が無人機ドローンであったりとか、なるべく戦争の血みどろの部分を感じさせないようにやってるけど、基本的に戦争そのまんま。

内戦状態の小国に大国が強大な軍事力を提供して大統領派たちの返り咲きを主導する。子供のアニメでやる話なのかっていうね。戦争のハードな血なまぐささを回避しようとしてうまくやってはいたけども、いやー、ちょっときびしかった。のび太たちが特攻隊にしか見えない。

スネ夫なんかが、戦車の改造や整備をしてるのとか、しずかちゃんが戦闘機の運転訓練とかしてるのとか、少年兵が戦争に駆り出されて命がけの戦いに身を投じているという深刻さがにじみ出すぎてて見ていられない。

スネ夫が戦いたくないんだよ、こんな戦争にまきこまれて、いやなんだって精神を病んじゃってましたけど、仲間と一緒に正しいこと、正義のために戦うのはいいことだって、ちょっと戦争の高揚感みたいなので立ち直ってたのも素直に友情っていいなとは思えなかったなあ。

のび太、ジャイアン、ドラえもんがレジスタンスたちへの連絡役をかってでて敵の中に飛び込んでいくとか、決死の大作戦じゃん。命がけすぎるみたいな。こんな命のやりとりドラえもんで見たくないよ~。ドラえもんの道具でなんとかしてくれ~みたいな。

子供の軽いノリで隠し切れない重みがあふれ出すぎでちょっとなあって。でも、映画としてはおもしろかったんすけどね。ドラえもんの映画は大昔に子供のころに何本か見たぐらいで、映画は久しぶりに見たんだけど、格段におもしろいと思ったなあ。

映像もいいし、キャラの表情とか動きもよく描かれてて、昔のやつとは大違いでパワーアップしてるなあって感じました。声優も昔と違うけど、とくに違和感もなく見れたかな。スネ夫の声がちょっとくどいと感じたぐらい。

やっぱ戦争はきついわ~。ドラえもんはダメなのび太が道具使ってもダメで、まったくダメだけどそれでいいっていうゆるさがいいとこで好きなとこなんだけど、劇場版のドラえもんはシリアスすぎてのび太はがんばるしほかのやつらもいいやつすぎるしで、別物ですね。

でも、おもしろく見れたんすよ。しずかちゃんが巨大化するところとか、おもしろいし、映像がいいしテンポもいいし飽きない。まあ、巨大化するくだりは、のび太が落下する大統領をつかんで一緒に落ちていくけど、巨大化する時間で助かったというところまでとっておいてほしかったけどね。

しずかちゃんが巨大化したのを先に見せるから、のび太助かるのわかっちゃって、はらはらどきどきがなかった。スモールライト奪還が重要な目的だったのに、スモールライトの効力の時間切れで解決っていうゆるさもなあ。

まあ、のび太たちが最初からでっかい姿で攻めていったら簡単に勝てそうだから、どうにか小さいままでいさせないとっていう不自然さはあるんだけど、漫画ってそういう適当さがなぜか許せちゃう。実写だったらなんだそりゃっていう展開もマンガならあんま気にならないのはなんでかな。


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