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『パーフェクト・ケア(原題:I Care a Lot)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


後妻業の女みたいな人情クライムサスペンスかと思って見てみたんだけど、そういう湿っぽいドラマではなかったです。成功にとりつかれて、巨万の富を築くためには何でもやるし自分の命すら賭けることを厭わない成功中毒の人のお話でした。

ロザムンド・パイクは後見人ビジネスをやってます。医者と介護施設と結託して、身寄りのない金持ちの老人を標的に独力では生活できないという申し立てを裁判所にして自分が後見人になって、老人を施設に入居させ、財産を管理してお金を懐に入れるビジネス。

これをこそこそやってるわけじゃなくて、大っぴらに合法的な手続きを利用して表のビジネスとしてやってるんすよ。ロザムンド・パイクは度胸があって弁もたつので、法廷でうまいこと立ち回るから、ロザムンド・パイクの餌食になった老人の息子が異議申し立てしても負けない。

男なんて脅してきても何もできない、こっちが強気でいればちょろいもんよって感じです。肝が据わってる。男嫌いっていう設定のキャラ。恋人は女性だし。電子タバコをぷかーっとふかして、マッチョぶる男の脅しを涼しい顔で受け流す。

他人を食い物にしてのし上がって、大富豪クラスの成功をつかもうと思ってるんすよ。成功するためには普通のことしてたらダメだって思ってるから、迷いがまったくなくて、そこが強みになってる。

いつものように医者からカモになりそうな患者を紹介されて、手慣れた手順で後見人になって老女を施設にぶちこんで財産を整理し始めたロザムンド・パイクとパートナーのエイザ・ゴンザレス。この流れが怖いっすね。

本人が知らぬ間に勝手に裁判所に申し立てがなされて、判事の許可がおりて裁判所命令として執行される。こんなこと実際あるのかって感じだけど、ほんとにあることなのかなあ?なんかありそうで怖くなった。

判事が間抜けに描かれてるのがなんか笑えるというか怖いというか。ロザムンド・パイクを善意の人と思って完全に彼女にいいように操られてる。あれ、買収されてるとかじゃなかったと思うけど、判事って実際にあんなにおまぬけ野郎なのかなってちょっと心配になった。

老女は財産もたっぷりだし、こりゃ大当たりのカモだと喜ぶロザムンド・パイク。貸金庫に大粒のダイヤモンドを預けてあるのを発見して大興奮。これは大きく儲けるチャンスって思う。いやいやいや、やばいでしょっていうね。

普通の感覚なら、こりゃバックにややこしい犯罪がらみのなにかあるから、さっさと手を引くのがいいと感じるはずなんだけど、ロザムンド・パイクは成功することしか頭にないから、サクセスハイだから危険は承知之介でどんどん深入りしていきます。

老女はロシアンマフィアの母親だった。ロシアンマフィアの元幹部が身元を消して潜伏生活をしてて母親も別人のIDで別人として暮らしてたという事情があった。

ロシアンマフィアのほうは目立ちたくないから、最初はソフトにロザムンド・パイクに手を引けと言ってきます。15万ドルやるからと弁護士をよこして交渉してくるんだけど、ロザムンド・パイクは500万ドルよこせとかふっかけて相手にしない。

法廷で異議申し立てされても、なんだかんだとそれっぽいこと言って負けない。判事がいつもの判事なので彼女に好意的な判断をするからね。

じゃあ、しょうがないと荒っぽい手段で動き始めるロシアンマフィアだが、それもロザムンド・パイクを止めることができません。完全にロザムンド・パイクはハイになってる。成功、成功、巨万の富で頭の中はいっぱい。

ロシアンマフィアもあきれてたもんなあ。なんだこいつ?って。事故に見せかけて殺されかけても生き延びちゃうロザムンド・パイク。雄たけびあげてたのが笑えたなあ。そこまでやれるのかって。

抜けた歯は牛乳につけて保存して朝一で歯医者にいって治療してた。歯を気にする余裕あるんだってこれまた笑っちゃう。命狙われて死にかけて、歯の治療って、どんなやつやみたいな。

後見人商売もそうだけど、そこまでやれるのはなぜなのかって疑問に思っちゃう。命がけでがんばれるのはなぜなんだっていう不思議。なんか不気味ですらあります。そこを描きたいんだろなって思った。

なんと彼女はロシアンマフィアに勝ってしまう。彼女に逆襲されたロシアンマフィアは彼女の度胸と商売の才覚を認めて、一緒にビジネスをやろうと持ち掛ける。後見人ビジネスを巨大複合的ビジネスとしてロシアンマフィアの資金を使って始めて大成功。

ロザムンド・パイクは夢見ていた大富豪、巨万の富をもつ成功者になってしまう。

なんかこの辺りの展開が飛躍しすぎというか、うまくいきすぎで、ロザムンド・パイクが沈む自動車の中で死ぬ間際に見た走馬灯なのかと思った。成功した女性経営者としてテレビ番組に出演したりとかしてんの。

いやー、うまくいきすぎじゃないかみたいな。嘘くささがある。まあ、それで最後は映画の冒頭に出てきた彼女にやりこめられた男が復讐にやってきて凶弾に倒れるという終わり方になります。

成功者になるためには、普通じゃないことをして他人を食い物にしてのし上がるしかない。ただし、成功したとしても他人を食い物にするということは恨みを買うということなので、いつ転落するかもわからないよっていう教訓めいたエンディングですかね。


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