男たちの挽歌はバカバカしいところあるけど、熱いぜっていう、熱いところがすべてをカバーするって感じの熱量があったけど、マンハントはその熱いぜのところがなかった。バカバカしい部分が目立つだけって感じだった。
フェイスオフなんかめちゃくちゃな話でバカバカしいし映像も変だけどおもしろいなあって思った。ジョン・ウー監督はあの頃と全然変わってないといえば変わっていない。いつものケレン味たっぷりのジョン・ウー節をやってる。鳩も意味不明に飛んでるし。
アクションも昔と同じ。2丁拳銃で寝転んで滑りながら撃つとか、ジョン・ウー節だなあ、変わってないなって感じのアクションです。そんな感じで昔と同じことやってると思うんだけど、昔のやつはおもしろく感じて今回のマンハントはそう思えないっていうのは、何が違うんだろうか。やっぱ俳優なのかなあ。
最初からけっこうきついですよ。この映画って高倉健の「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイクなので日本が舞台だし日本の俳優も出てくる。日本で撮影したんだ。珍しいですね。撮影許可がとりにくいから日本で海外の映画の撮影はほとんどないみたいなので。
あ、ここなんか見たことあるっていう場所がけっこうありました。大阪が出てきた。なんだけど違和感がすごい。なんか荒っぽいです。雑といってもいいかもしれない。シーンとシーンのつながりかたもなんかおかしいんですよ。
場所がいきなりワープしたみたいな。唐突に場面転換するので違和感がすごい。俳優の動作もつながってないように見える。あれ?突然場面変わったみたいな。座っていたと思ったら立っていた、あっち向いてたとおもったらこっちだったみたいな。
アクションもなんかすごいんだかすごくないんだかよくわからないというか。二人組の女暗殺者がキレキレの動きを見せるんだけど、かっこよくはないのです。うーん、なんか違うみたいな。
なんか動作がつながってないような奇妙さを感じてしまう。福山雅治とチャン・ハンユーが手錠でつながったままで見事な連携プレーアクションをして敵をなぎ倒していく。いつ二人で練習したんだみたいな華麗なアクロバットアクションをきめる。
ただの弁護士と刑事が生まれた時から特殊訓練をうけた殺し屋のような連携プレーをする奇妙さ。まあ別にいいんですけどね。二人の心が通じ合ったという表現だと思うから。ジョン・ウーのアクションは心情表現のアクションだから。
まあでもちょっときつかった。最終バトルステージが特撮戦隊ヒーローものの秘密基地みたいで見てられない。人間を凶暴な戦闘マシーンにするクスリをうたれて大暴れする倉田保昭さん。仮面ライダーか?みたいな特撮アクションぽさがすごくてきつかったなあ。
なんでなんだろうなあ。昔のジョン・ウー作品も荒唐無稽でバカバカしい演出だらけなのにおもしろいと思ったのに、最近のジョン・ウー作品にはついていけないと思ってしまいます。どこに違いがあるのか。ジョン・ウーがやってることは変わってないのに。
時代が変わったということなのか。不思議なもんですね。