なんかほんと奇妙なんすよねえ。こういう奇妙さが好意的に受け取れるか、ただ奇妙なだけで受け入れられないか、どこで差がつくのか。崔洋一監督作品では今作の奇妙さはおもしろかったけど、「いつか誰かが殺される」はまったくのれなかった。
どっちも変すぎる作品なんだけど。中身は同じような感じなんすよ。女の子が主人公で危ないことがおきて男たちと一緒に危ない問題にけりをつける。そういう構成は同じ。ハードボイルドなムードは黒いドレスの女のほうが強いかな。
永島敏行のハードボイルドなタフガイ気取りはなかなかよかったですけどね。もとサラリーマンで今は裏稼業ですかね。バーテンやったりしてる。ヤクザにリンチくらってボコボコにやられてもへこたれないタフなやつ。
時任三郎からの依頼で菅原文太を海外に逃がしてくれという話。永島敏行はバーやってんすけど、そこに原田知世がやってくる。
原田知世はディスコで踊り狂うシーンがおもしろかった。またさ、ディスコでかかってる音楽が変なのよ。あれなんていうジャンルになるのかな。ニューウェイブっていうやつ?よくわからない音楽にあわせて踊る原田知世。変すぎる。
変といえば演技が一番変わってるのが、BMWのヤクザの男。台詞回しが独特すぎて奇妙としかいいようがないです。見た目はかっこいいし、立ち姿はきまってるんだけど、喋り方が不自然すぎてなんか笑っちゃう。
菅原文太の肝の座りようがすごい。なんだろ、あの達観したオーラ。すべてを受け入れて、死がやってくるのを静かに待ってるおじさん。渋い。BMWのヤクザに競輪場で刺されるんだけど、避けないし逃げない。
えぐられてないから大丈夫だって言ってたけど、いやー、けっこう深く刺されてたから大丈夫じゃないと思うけど、ほんとに大丈夫ですぐに病院から退院しちゃってた。
あとよかったのは、カーチェイスシーンですかね。夜の交差点をめちゃくちゃに暴走する、あのアナログな感じのカーチェイスはよかった。
刑事が成田三樹夫っていうのもいいですね。胡散臭いなあ。胡散臭さが最高だ。