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『戦場にかける橋 (原題:THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


見ようと思ってたけど今まで見てなかった映画を見よう企画の1本。第30回アカデミー賞7部門受賞作品。こういう大作でアカデミー賞もとってるし題名もよく聞くけど見てないっていうのがけっこうあるんすよねえ。

リアルタイムの作品だったら見る機会もあると思うけど、こういう古いやつってそうそう見ないですね。いつか見ようと思ってブックオフか古本市場だかでワンコインで買ったDVDをやっと見ました。

DVD買ったの何年ぐらい前かな。下手したら10年ぐらい前かもしれない。最後にブックオフやふるいちに行った記憶が思い出せないぐらいだからすごい前ですね。だいぶ寝かせたなあ。それと見るのが億劫だったのが上映時間の長さ。

160分ぐらいあるわけ。1時間半でもつらいのに2時間半超えてるってどうにもこうにも見ようっていう気にならないです。まあ、見始めたら見始めたらで、けっこう普通に退屈せずに見れるもんだというのはわかってるんだけどなあ。

そんでGWで時間あるからってことで見てみたんすけど、おもしろかったですね。監督が「アラビアのロレンス」のデビッド・リーン監督なんすよ。アラビアも長かったけどそれなりに面白かった。これも長いことは長いけど面白かったですね。

第二次大戦中のビルマにある日本軍の捕虜収容所が舞台の戦争映画。捕虜をつかって橋の建造をしようとする収容所の所長とそれに反発するイギリス軍捕虜の話なんだけど、ただの戦争ドラマではなくて奇妙な物語になってるんすよ。

収容所所長の斎藤は橋の建造を納期までに間に合わせようと捕虜たちを総動員させるんだけど全然工事は予定通り進まない。とにかく根性論で、気合をいれてやれと叱咤するだけで工事は全然すすまない。

斎藤がブラック企業のダメ上司に見える。納期納期納期で現場の人間を締め上げるだけ。部下からは信頼されてないしバカにされてる。でも権力者だから誰も逆らえない。完全にダメダメ上司。

そこに新しくイギリス軍の捕虜たちが到着。そこのリーダーが斎藤のやり方に反発。捕虜の扱いがおかしいと抗議する。ジュネーブ条約では将校は労働につかわないという取り決めになってるのにそれを破るのかと。

斎藤はこれは戦争だ、クリケットの試合ではないのだから、できることはすべてやって当然だと反論。その反抗的な将校を狭い小屋の独房に入れて考えを改めるように言うんだけど、その将校はそんな拷問にも負けず主張を曲げない。

結局、斎藤が根負けした形でイギリス将校は独房から解放される。そしたらなぜかそのイギリス将校は橋の工事の立て直しに取り掛かります。その橋は列車での日本軍の移動や輸送のための橋なので、完成すれば日本軍の利益になる。

だから、捕虜たちは手抜きをやってさぼって工事がすすまないようにしていた。その将校だって、幹部まで労働にかりだすのは法律違反だと、橋の完成に障害になるような主張をしていたはずなんすよ。

それがなんかやる気だしちゃって、工事の問題点をあらいだして改善。捕虜たちにさぼりをやめてちゃんとやるように指揮。挙げ句は納期までに間に合わせるために将校たちにも労働に参加を呼びかける。

負傷兵の中に働けるやつがいないか、仮病はいないかと詮索する。そのかいがあって橋は完成します。納期に間に合って、しかもちゃんとした橋が完成。イギリス軍捕虜たちがこの橋を建てたと印のタテカンを設置してご満悦のイギリス将校。

斎藤があれだけ精神論、根性論で橋を完成させようとしてダメだったのを、イギリス将校が手助けして完成までもっていったかっこうになってます。これはいったいどういう心理なのか。捕虜たちもバリバリ働いてあっという間に立派な橋を作ってしまう。

業績を伸ばしている新興企業のできる上司みたいなんすよ。叱咤激励するだけでなく、部下たちの能力を把握して適切なポジションに配置して計画をたてさせて具体的に何をどうするのかを的確に指示する。

斎藤が指揮していたときはまったく進まなかった工事が、リーダー交代であっという間に完成までいってしまう。

さぼって橋の完成をおくらせることが日本軍へのダメージになるのはわかっているはずなのに。完成した橋の上で斎藤とイギリス将校が橋の完成の余韻に静かに浸るシーンがなんとも言えません。

敵対してるもの同士が橋の建造という目標に向かって協力して完成まで成し遂げてしまう。完成した橋の上で二人してその成功に酔う。なんという奇妙なシーン。

そんで収容所からの脱走に成功したアメリカ兵がいてそいつが特殊部隊と一緒にまた橋の爆破のために戻ってくるんすよ。橋に爆弾仕掛けて爆破する段取りができて、列車が到着したら起爆するということになるんだけど、イギリス将校が橋に爆弾が仕掛けられていることに気がつく。

それでどうしたかというと爆破を阻止しようとするんすよ。え?みたいな。橋を爆破しにきた味方を妨害しようとする。もうなにがなんだかの混乱です。

まあ、最後に爆風で一瞬正気に戻ったのか、おれはいったい何をしていたのかって思いながらそのイギリス将校が事切れて倒れ込みながら起爆スイッチを押して橋は爆破されるんすけどね。

これはほんと奇妙な味わいがある話ですね。橋を作るということは、敵の利益になるというのがわかっていながら橋作りに熱中する。変だけどなんかわかるような気もします。戦争という破壊の極みの中で、なにかを作るという創造がしたいという気持ち。

そういう気持ちだったんじゃないのかな。何かを作り出した、なにかためになることを成し遂げた、そういうあかしが欲しかった。橋が敵の利益になろうがどうでもよかった。戦争を忘れるために橋作りに没頭した。

戦争という破壊のなかで、希望を感じることができる象徴が橋だった。それが最後には爆破されて粉微塵に砕け散る。つかの間の儚い幻影だったということ。無惨にも希望が打ち砕かれる。戦争の異常さというのがこれでもかと思い知らされるラスト。

いやー、なかなかにおもしろい映画です。戦争なんか誰もしたくない。好きあった男女でキャッキャウフフと水遊びでもして楽しんで暮らしたいのが本音なのに、なぜに殺し合いなんかしないといけないのかっていうね。

まあ、でもやっぱりめちゃくちゃ長い。いや、長いけど退屈はしないしおもしろいんだけどやっぱり長いですよね。この長さがいいのかもしれないけど、やっぱ老人にはきついですこの長尺は。

アラビアのロレンスを見たときも感じたけど、長いんだけど物語としておもしろいし、ドラマを感じる構成になってるから今見てもおもしろいんだよね。デビッド・リーン監督の作品は2本しか見たことないけど、他にもあるのかな。

ほかも上映時間長い超大作なのかな。ちょっと興味ありますね。


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