凄腕なんだけどつねに勝つタイプじゃないです。ギャンブルものでは、決して負けない強運の持ち主を主人公にしたものがありますが、氷室はそうじゃないです。普通に負けます。相手のイカサマを見破れず、逆にカードのすり替えを指摘されて、無惨な負けをさらす。
そこからリベンジを誓って、動き出すってわけ。小池朝雄、冨士眞奈美、横山道代らがそれぞれの人生と思惑を背負って小林旭のまわりに集まってくる。国際賭博団マルコムが来日とかもして、最後はでっかい賭場でのギャンブル対決と乱闘になだれこむ。
いやー、なかなか楽しかったなあ。ジョン・ウーが若いときに日活映画の小林旭をよく見ててファンになって、その影響が自作にもあらわれてるらしいけど、それがよくわかる。ジョン・ウー映画の主役といえばチョウ・ユンファだけど、どことなく小林旭と雰囲気似てますね。
小林旭といえばけっこうアクションスターな面もあります。この映画でも地味に危険なアクションを自分でやってるっぽいです。ベランダからベランダに飛び移って落ちそうになるみたいなことや、乱闘アクションとか。
おもしろいのが、小林旭の身のこなしが、訓練されたそれじゃなくて、なんも訓練してない普通の人が気合だけでやっている感じなこと。めちゃくちゃ危なっかしい。それがなんか生々しくておもしろいです。
映画のアクションってきれいな動きで見せるのが普通なんだけど、小林旭のアクションはものすごく不格好で華麗ではない。小林旭氏はスタントの訓練や格闘技の経験とかあるんだろうか。
DMM動画:
黒い賭博師