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『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇』【映画のあらすじとネタバレ感想】


何考えてんだ、こんなもん作って?っていうのが感想。公開当時は全然見てなかった。テレビシリーズも見たことないんすよねえ。イデオンという名前だけは知ってるけどどんな話なのかは知らないままで、最近この劇場版2本を見てみたんすけど、どういうつもりでこれを子供向けアニメで作ったのかっていうね。

子供にこれを見せて子供がどう思うのか。子供だった自分がこれを見たらどう思ったのか。というか最初のほうで見るのをやめたと思う。頭おかしい話だから。詳しいことはわからないけど、イデとかいう神様みたいなものが人類を滅亡させることにする話ですよね。

イデはもう人類に見切りをつけていったんリセットすることにする。人類はもうだめだ。争いばかりでいっこうに学習しない。だからいったん全滅させてあらたな生命で全宇宙を作り直そうってわけ。そういうことで、ここに人類殲滅最終兵器イデオン置いとくから、これ使ってお互い殺し合って全滅してくださいねっていうね。

その大いなる意志の思惑通りにイデオンを使って最終滅亡戦争に突入していく人類。ただただ人類の愚かさと破滅に向かっていくさまを描いていくだけです。しかも滅亡兵器を操って破滅を導くのが子どもたちなんだから、救いが一切ない。

これが子どもたちがイデオンを操縦して、愚かな争いを続ける大人たちを食い止めて人類滅亡最終戦争を回避するというのなら希望あるんだけど、止められないんだよ。普通に最終戦争をたんたんとすすめていって、たんたんと登場人物たちが死んでいく。

人類の愚かさを散々見せられる。すれ違い、嫉妬、怒り、憎しみ、不安。破滅に向かっていくのを見てるだけなんすよ。どういうことなのか、どういうつもりなのかっていうね。

ラストなんかひどくて震えるよ。全滅してみんな死んだあとに、裸の透明な魂?精神体みたいになった登場人物たちが、楽しげに笑い合いながら天に昇っていく。めっちゃ幸福そうに楽しそうにアヒャヒャヒャヒャって笑ってるんだけど、いや、君ら全員死んでるんだけどみたいな。

縛られていた人間の業から解放されて多幸感に包まれる人間たち。服を脱ぎ捨てて裸になったらみな幸福みたいな。姉妹間の嫉妬や憎悪も消えて、父親と娘間のやりきれない関係もふっきれて、敵対するものたちの不安や恐怖、怒りもすべて消滅してただの生命体としての幸福感だけが残るみたいな。

怖すぎる。なんだろう、ニューエイジ思想とかそういうやつなのかな?精神世界には肉体をこえた領域がある的なやつなのかな。母体が死んでもまだ生き続ける胎児メシアとか、キリスト教や神話を思い起こす。

こんな話をロボットロボットっていってる子供が見てる時間帯のTVアニメでやるという狂気。というかなんでこんな企画がゴーサインでるのかという不思議。当時の時代的な背景がわからないからなんともいえないけど、当時は景気が良かったのかな。

景気が良いと破滅的で悲劇的な物語の作品が作られて、景気が悪いときはその逆っていうことがよく言われるけど、イデオンが作られたときは時代的に景気がよかったのかなあ。挑戦的な作品、浮かれてる気持ちを戒めるような作品が作られやすい土壌があったのか。

1980年だからそう景気がよかったわけでもないと思うけどなあ。70年代の混沌と暗黒の集大成みたいな感じなのか。

それにしてもひどい。何考えてんだ?としか言いようがない。恐怖を感じる作品です。ただただすごい。そしておもしろい。

ハインラインのSF小説を読んでるようなアニメっていうかね。

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