若いときになにがあったとか、出会いがどうだったかとか、設定としてあるものを、わざわざ映像化してもあんまりおもしろいものにならない。あのダース・ベイダーの若いときをやったスターウォーズあるじゃないすか。あれも全然おもしろくない。
いかにしてダース・ベイダーになったのかみたいなのを後になってやられてもなんか全然おもしろくないんすよねえ。なんだろう、結果がわかってる状態でそこにいたるまでの過程を見せられるからつまらないのかも。
犯人とトリックと動機と何もかもを最初に説明されたミステリー小説みたいなもんなのかな。何かがいろいろあったところで、結末はこうなるってわかってたら、どうやっても面白みは薄くなっちゃうのだろう。
それに想像させるから深みになるのに、説明しちゃったらマジックがなくなるっていうのもありますね。過去や生い立ちにいろいろとあるというのを想像させるから、それがキャラクターの深みとして機能するのに、それをわざわざくどくどと時間かけて説明する。
深みとして機能してたものを台無しにしちゃうだけなんだよなあ。こういう設定の隙間を説明するだけの映画って。
ハン・ソロの若い時って言われても、それだけじゃおもしろくはないんすよねえ。おなじみのスターウォーズな世界のなかでなにか冒険活劇やってるなあっていうだけ。ファン向けムービーなのかなあ。
いや、むしろファンのほうが怒るんじゃないすか。ファンのほうがこだわりが強いから、ハン・ソロはこんなんじゃない!あれとこれと整合性とれてないじゃないかとか思っちゃうのかも。そもそもが、今作の主役の人に俳優としての魅力がない。
長年、こそ泥生活を過ごしたから、あのハリソン・フォード演じるハン・ソロになったけど、若いときのハン・ソロはモブキャラレベルの地味な若造だったっていうことなのかもしれないけどね。
実際そういう作りにはなってました。最初は若造の青二才で甘ちゃんだけど、最後の方ではいろいろ経験して抜け目ないやつになっているというふうに作られてた。意図はわかるけど、前半があまりというかかなりおもしろくないんすよねえ。
うーん、気になるのが画面がずっと暗いところです。暗いというか、靄がかかってる。色がくすんでぼんやりとした映像になってる。なにが写っているのかはっきりしない。西部劇の荒野とか砂漠の嵐とかそういうのを意識した映像作りなのかもしれないけど、そのこだわりもただ見辛いだけで、いい映像ですねとは思えない。
ムードの映画ならぼやけた暗い画面づくりでいいんだけど、こういう冒険活劇は何がどうなってるのかよく見えないとだめなタイプなのに、ぼやかしてどうすんだみたいな。
最後の取引のところからは、映像がなぜかクリアな感じになって見やすくなってました。最後の取引のところはけっこうおもしろくて好きですね。
ハン・ソロに興味なし、話におもしろみなし、映像が見辛い。なんもいいとこないみたいな。いいとこなにかないかなあって思いながら見てたけど、なかったみたいな。画面が薄暗いもんだからアクションも楽しめないし。
ロボットの権利をうるさく主張するロボットが出てきたけど、あいつもどうなんだろう。見た目はターンエーガンダムに出てくるフラットみたいでおもしろかったけど、すごく感じ悪いキャラクターに描かれててうんざり気味だった。
船と融合してたけどあんな性格だったから、ミレニアム・ファルコン号は気まぐれだったのかみたいな。
スターウォーズってディズニーが買ったんでしたっけ。この先何十年、何百年とディズニー帝国が続くかぎりは、スターウォーズという世界観とキャラクターを使った作品が定期的に生産されていくのだろうか。
でもこういう隙間埋め作品ばかりをやり続けたら、そのうちファンにも見限られそうだけど大丈夫ですかね。新しいファンもつかないだろうし。若いスターウォーズファンっているんだろうか。中学生とか高校生で今のスターウォーズに夢中とかあんま聞いたことないけど。
SW系ってじじいしか見てないイメージあるけど、観客層ってどんな感じなんすかね。40歳50歳60歳ぐらいのじじいがメインターゲットなのかなあ。ティーンとか20歳前後の人がこれ見てスターウォーズおもしろいってなるとは思えない。
設定の隙間埋め作品を作るのをやめて、SWの世界観を使って新たなマジックを感じさせる新たなるキャラクターと物語を作るようにしてほしい。やっぱりさ、SWってちゃんばらだと思うんだけどなあ。
SFちょんまげちゃんばらムービー。宇宙で黒澤明と三船敏郎の侍映画をやるっていうのがSWのおもしろいとこなんじゃないの?そういうのやってほしいけどね。