なんか劇的な瞬間というか高揚感というかそういうのが感じられるシーンがあんまなかったかな?それになんか古臭い話というか、古いって感じしたんだけど、これってリメイクなんだって。
そりゃ古臭く見えるわけだ。アル中で精神不安定のロックスター、ブラッドリー・クーパーがレディー・ガガを偶然見出して彼女と彼女の歌に恋して結婚。レディー・ガガは売れてスターダムに上り詰める。
でも、二人の幸せは続かなくて悲しい結末になりましたっていう話。レディー・ガガ側から見るとスター誕生物語。ブラッドリー・クーパー側から見ると、スターになっても満たされなくて破滅するスター不幸物語。
歌がうまいからといってスターになれるとは限らない。人をひきつける才能というのは、また別にあってその才能があるものだけがスターになれる。しかもその輝きはずっと続くものじゃないっていうね。
そこはなんかそうなんだろなって感じしたけどね。成功のプロセスがあんまりうまく描けてなかった。ガガが売れるように、プロデューサーがついて髪の色をかえたりダンサーとダンスしたりと、レディー・ガガは歌いたいだけなのに、売れるためにやりたくもないことをやらされる苦悩はいちおう描かれてたけど、あまりピンとこず。
レディー・ガガがあんまり演技しなくてもいいような感じで作ってるからかなあ。表情一発演技で乗り切ろうみたいなシーンが多いです。
ブラッドリー・クーパーはどんどん成功していく嫁を見て、うーん、彼女の良さはこういうことじゃないんだけどなあって思いながら、酒におぼれてどうにもならなくなっていく。レディー・ガガのグラミー賞受賞式で泥酔してステージにあらわれてぶち壊しにする。
ブラッドリー・クーパー演じるロックスターは、破滅的な人生をたどって若くして亡くなるようなロックレジェンドをもとにしたキャラクターなんだろね。
すでに死を覚悟してさまよって、かろうじて音楽が支えだったが、難聴がすすんで音楽さえもなくそうとしていく。音楽で成功してスターになったとしても、愛する相手がみつかったとしても、結局、死をさけることはできなかったみたいな。
一握りの人間しかなれない成功したスターになれたとしても幸福になれるとは限らないというね。なんかむなしいなあ。
でもさ、現実にミュージシャンで大成功して世界中に名前と歌声が知られるようになって巨万の富も手に入れたスターが、酒やドラッグや睡眠薬でボロボロになって自殺したり、急死したりしてますよね。そういう人多いような。
まあ、それでまたいい歌が生まれて人々の心をふるわせたりするわけだから、人生とは奇妙なものだなみたいな。昔のバージョンのスタア誕生も見て見比べてみたいっすね。時代によってけっこう違う描き方になってんのかな?