引越し祝いの食事会に集まった7人がひょんなことから、スマホにかかってきた電話やメッセージをみなに公開するというゲームを始めたことで、普段隠している本音や秘密があらわになって騒動が巻きおこるというドラマ。
男たちが学生時代からのつきあいで30年ぐらい友達づきあいしている。その男たちのつながりで、嫁さん同士もつきあいしてるっていう感じの仲間たちです。豊胸手術をやってる整形外科医の男の新居でのパーティー。
けっこう豪華なマンションですごいおしゃれなんすよ。金持ちなんだろうなあみたいな。でも実は整形外科医は、家や病院を抵当にいれて借りたお金で投資話にのったらそれが投資詐欺でいまやばい状況です。それを奥さんに内緒にしている。
奥さんは奥さんで秘密があるし、弁護士してるところの夫婦関係もギクシャクしてるし、料理店をやってる一見アツアツカップルのところも浮気の影がちらほら。離婚して教師もやめたやつは恋人を連れてこなかった。
一見、それぞれの人生をうまくやってるように見える仲間たちだが、スマホにかかってくる電話やメッセージを公開することで、実際はそうではないというのが明らかになっていく。どんどん場の空気が悪くなっていきます。
離婚だ絶交だなんだと険悪な空気になって食事会はお開き。このあと彼らの人生はどうなるのかと思わせておいて、みんな何事もなかったように今までどおりの様子で帰宅していきます。スマホ公開ゲームは実際には行われなくて、今まで見ていたのは月食が見せた幻影だったみたいなオチです。
オチはイタリア映画版と同じですね。本音が大切とか、本当のことが重要とか、嘘はいけないとか建前や理想としてそういうけども、ほんとですかっていう話ですかね。秘密にしていることを無理に知ろうとすることがはたして幸せなのかっていうね。
他人に本音で腹を割って話すとか向き合うのを求めるのがはたしていいことなのかっていうね。所詮は他人。彼らが何十年来の友達だといったところで、たまたま同じ年代に生まれて、たまたま同じ学校に行って、たまたま家が近くで一緒に遊んだからというだけです。
すごく気が合うとか、趣味が同じとか、尊敬しあえる関係だとか、そういうことで友達になったわけではない。友達、親友、幼馴染というと何か特別な関係であるかのように錯覚してしまうけど、ほんとは偶然なんとなく友達付き合いを続けているだけのただの他人でしかない。
女性たちもそうですよねえ。男たちが友達だから、その流れでつきあいしているけども、とくに気が合うというわけでもない、仲良しでもない。
よく考えたらだいたいそうなんですよ。人間関係って他人同士の薄いつながりでしかない。親と子ですらやっぱりたまたまの他人関係でしかない。だから上辺を繕うことが大事なんだよなあ。
本音や秘密が明るみになって修羅場になるのと、上辺だけのやりとりで本音は裏に隠して穏便に過ごせるのと。どっちが幸せなのか。どちらを望む。どちらに幸福を見出す?って問いかけるような話ですね。
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