山岳救助の話で、小栗旬演じる生粋の山男の活躍を描くって感じです。なんか奇人というか奇妙な人っていうか、変なムードのキャラクターなんですよ。ああいうのはマンガだと味のある人だなって成立するけど、実写だとなかなかきついですよ。
あんな感じで変わり者で普段どうしてるんだろって思っちゃうから。なんか気味が悪いというか、実在感がないというか。マンガだと完全に絵で嘘だからそういうもんだと思って見れるものが、実写で実際の人間の肉体で演じられると、違和感を感じてしまうっていうことありませんかね。
そこをうまく変換してくれるといいんだけど、人気マンガである程度観客動員が見込めるから作ろうっていう場合、そこに気を使って作られないから、残念な感じにだいたいなりますね。この映画もそうだったなあ。
山の描写が実際とは違うとか、山岳救助の実際とは違うとかは、わりとどうでもよかったりします。リアルかどうかはあまり気にならない。それよりも実写でやって、馴染んでるかどうか。マンガみたいな奇抜さを実写になじませることができているかどうか。そこなんです。
映像的にも見どころないし、撮り方に工夫もないし。子役の下手な演技もいらないし。長澤まさみの役割っていうか、キャラ設定もわかるけどなんか違和感あるんだよなあ。
原作のマンガと同じようにやってると思うんすけど、そこは実写なんだから、マンガでは描き足りてないところを付け足すとかして実写として成立する見せ方をしてほしい。
原作ありの映画化がなんか残念に見えてしまうのは、表面上だけ原作どおりにして、実写で成立するような変換がうまくいってないからだと思う。
まあでも、寝っ転がってスマホで見るにはちょうどいい感じだし、原作のマンガや小説を土台にして自由に発展させた映画を作るなんて手間だから作るほうもそんな余裕ないだろうし、こんな感じでいいんじゃないかなと思ったね。
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