なんか交流のほうが明らかに実用的で優れている方式みたいに描かれていたのに、なぜかエジソンは直流方式に固執します。自分が考え出して時間と労力をつぎ込んだアイディアだから、今更方向転換できない。負けを認めたくないみたいな感じなのかな。
ウェスティングハウスのほうは、交流方式のほうが優れているのが明らかなので、エジソンもそれがわかるはずだから、エジソンとは争わずに手を組みたいと思っている。エジソンの電球と組みたいと思ってるんすよ。
エジソンの電球は優れている。それと交流電気が組み合わさったら素晴らしいじゃないかっていうね。食事会に招待したりエジソンと接触する機会をもとうとするんだけど、エジソンはとりあわない。
ウェスティングハウスのほうは争うより手を組みたいと思っているのに、エジソンのほうは全面戦争だっていう感じで、二人の温度差が最初はあります。マスコミを使って交流式は殺人電気だとネガティブキャンペーンをするエジソン。
いずれ優れたほうが、交流式が認められるのだから、エジソンの攻撃には反応しないと我道をいくウェスティングハウス。あっちの都市は交流式、あっちは直流だと都市の取り合いをする直流交流戦争。
交流式は危険というエジソンの話をきいた処刑所の人が絞首刑にかわる死刑方法として電気椅子の開発をエジソンに依頼する。人を殺すものは作らないと、政府の依頼で兵器を作ることを断っていたエジソンが、交流式の評判を落とすために裏で協力する。
エジソンはいったいいつ寝てるんだみたいな。電気戦争の合間にあれこれやっててすごいんですよ。
そういう戦争の中で、エジソンの家族やウェスティングハウスの家族との話が描かれていく。テスラとかも出てくるんすよ。テスラってこの時代の人だったんだ。この映画って実話でしたっけ?創作?エジソンのところで働いてたけど、待遇も悪いし、テスラのアイディアをまったくエジソンは聞こうとしないので去る。
そして電気で動くモーターの設計図をウェスティングハウスが採用するみたいな流れです。電気で夜を照らすだけでは電気に価値がない。すでにガス灯があるから。機械を動かす動力源として電気が使えるようになって覇権が決定的なものとなる。
モーターが重要なんすよねえ。そのキーマンとしてテスラが出てきてました。なんかテスラは理論だけで実践がないから評価されなくて苦しんだみたいなキャラに描かれてた。かっこつけた服を着てるオシャレなやつで見た目や理論だけのやつみたいな描かれ方。
エジソンやのちに作ってた会社の株主にも、実際にものを作って見せてみろって言われてましたけど、テスラは、もう頭の中では完成している、だからぼくのアイディアにお金だしてくれって感じなんですよ。
エジソンの後ろには大銀行家のモルガンがついて潤沢な資金と優秀なスタッフと実験室とエジソンの天才的頭脳があったのに、この電気戦争には敗北します。
嫁さんは脳腫瘍かなにかで亡くなっちゃうし、電力戦争には負けちゃうし、なんだかなあみたいなエジソンですが、戦争の合間に音を録音する装置や映像を記録する装置をつくって、音楽業界、映画業界の礎となる技術を生み出してます。
すごいぞエジソン。こういう前後で世の中のあり方がまったく変わってしまうような発明をする人ってどんな気持ちなんだろうね。歌や演奏や演説を記録して、あとで再生して聞いて楽しむなんて想像もできなかったときに、そういう装置を作っちゃう。
カメラで撮影してそれをスクリーンにうつして見て楽しむ。映画なんてなかったときにそういう装置を作ってそれが巨大産業としてのちのち育っていく。まあ、エジソンが考えついたわけじゃなくて、エジソンは人のアイディアを改良して普及させる能力がすごかったっていう話もありますが、どういう気持ちなんだろね、発明家って。
蒸気機関やガス燈の時代に、電気の時代にするぞって大金と時間と人生をかける。途方もない話で想像もできないな。映画としてはそんなに面白いもんでもなかったけどね。
エジソンとウェスティングハウス二人を主役にしてるから、無駄なというか遊びのシーンがなくて、全部意味のあるシーン、意味のあるセリフみたいなシーンをつなげていく感じになってるので、ダイジェスト感があります。
なんかよく考えたら現実に今も次世代エネルギー戦争が始まってますね。石炭ガス石油が二酸化炭素だすからと悪玉扱いで、次世代のクリーンなエネルギーだっつって電池でどうのこうのみたいな。自動車がそのうち全部電気自動車になるんでしたっけ?
車が全部電気自動車になって、ほかも電気でやるようになったら、電気の消費量ってめちゃくちゃ増加すると思うけど、それに供給できる発電量って確保できるんすかね?CO2だすから火力とかだめなんでしょ?原子力発電所をぶったてまくるんでしょうか?
テスラの時価総額が100兆円を突破とかしてて、未来はテスラにあり!テスラに全乗っかりしてれば大丈夫みたいな鼻息の荒い米株信奉者が急増中。まあすごいですよね。何年か前は倒産するんじゃないか、アップルが買うんじゃないか、どっかが買収するんじゃないか、イーロン・マスクは破産だなんだと言われてたのに、それが今じゃテスラ100兆円だし、イーロン・マスクの個人資産は世界一だっけ?
でもなんかこういうのは金融工学で増えているだけで、実際のリアル側の変化が全然追いついてないような気がする。ニコラ・テスラが頭の中では完成していると豪語していたのと似ている。未来を想像させる段階から、実際に創造して形にするにはまだ時間がかかるんじゃないのかな。
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグが、社名をメタにかえてこれからはメタバースに舵切りますとか言い出したけど、あれもどうなんすかね?セカンドライフをまたやるっての?VRとか仮想世界を構築とかARとかなんとかって言っても、仮想空間を安定して実現できるインフラがまったく整備されてないわけで。
未だにタダ同然の価格で常時高速接続できるネット通信網ができてない。通信スピードは安定しない、突然切れたり途切れたりするようなインターネット通信状況で、使い放題でもない。トラフィックが混雑したら超低速になったり、月何GBまでですとかデータ量を制限してる。そんな貧弱なネット状況でメタ空間にどうのこうのっていってもどうしようもないんだけど。
ザッカーバーグはメタバースに注力するなら、1兆円でも何兆円でもだして、安くてめちゃ高速で安定する通信網を作ってほしいね。そっちのほうが世界が変わるんじゃないの。そしたらエジソンみたいに名前が残りそうなもんだけどなあ。
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