チャニング・テイタムは軍人。特殊部隊の隊員で休暇はサーフィン。アマンダ・セイフライドは大学生ですかね。海に落ちた彼女の荷物をチャニング・テイタムが潜って拾ってきたことで知り合って、あっという間に意気投合。
相思相愛。運命の出会いってわけです。特殊部隊の任務で戦場を転々とするチャニング・テイタム。途中9.11のテロとかあったりとかして、ずっと離れ離れで手紙のやりとりで愛をつなぎとめていたが、破局。アマンダ・セイフライドが誰かと婚約することになる。
まあ、出会ってたいして時間経ってないし、ずっと離れ離れだし、お互い若い勢いだけの恋愛って感じなので破局は致し方なしでしょうか。別れてからチャニング・テイタムの父親が死んだり、アマンダ・セイフライドが誰と婚約したかわかったりで、お互い別れてから辛いことあったんだあってなって寄りが戻る。
いろいろあったけど、やっぱり愛してるみたいな。いや、いろいろあったからこそ、今こそ言える。これは落ち着いた愛情だって感じなんでしょうか。
うーん、なんかいまいちなんですよね。チャニング・テイタムの父親が少し自閉症ぎみで変わり者で、コイン集めが趣味でコインにまつわる心温まるエピソードとかあります。手紙を感動的に読むシーンとかもあります。アマンダ・セイフライドの婚約者がガンでとか病気のエピソードもある。
エピソードは大盛りなんだけど、その描き方が表面的でしかないように感じちゃってどうもなあって思っちゃいましたね。まあ、恋愛はいろいろあっても、やっぱり最初のフィーリングが一番大事っていうことなのかなあ。
初対面のときの印象が一番大事なんじゃないのっていうね。二人が出会ったところで、もうふたりともお互いにいい感じだと思ってる。そこが重要なのだね。いろいろあるから好きになるんじゃなくて、好きだからいろいろあるっていうわけか。
恋愛映画だと思って見るからいまいちに思えちゃうけど、エラーコインが象徴する人生の物語として見るとがらっと印象が変わります。表が1セントで裏が5セントのエラーコイン。出来損ないで普通とは違うけど、コインコレクターにとってはすごい価値のあるコイン。
主人公はちょっと他の人とは違う父親のことを恥じていた。アマンダ・セイフライドは自閉症の男の子と仲良しで自閉症であることが欠点であるとは思ってなくて、むしろ可能性を感じていた。他と違うことを恥じる主人公と他と違うことに理想を見出す彼女。
男手ひとつで育てられて人付き合いの苦手なチャニング・テイタム。裕福な家庭で育って他人と触れ合うのが自然で得意なアマンダ・セイフライド。コインの裏と表のような関係です。
誰々が大統領になっていたら銀貨の大きさは今と違っていたという話も出てきてましたが、それも多様性、可能性のメタファーとか比喩っぽいですね。コインの大きさは誰かが決めたからその大きさであって、もともと決まっていたわけではないみたいな。
人生=コイン。コインの価値は決まっていない。出来損ないに見えても、違う角度からみればすごい価値があるかもしれない。人の価値は他人の尺度で測れない。そういう物語を恋愛ドラマの手法で描いている。そう思って見たらけっこう深良い話に思えますね。
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