まあ、アクションシーンはあるにはあるんだけど、そこはメインじゃないのです。お話としては巨額詐欺事件を起こしてFBIに追われるバンカーが逃亡先のメキシコで娘を探す話です。バンカーをFBI、裏社会のギャングたちが追うっていう展開。
詐欺師の銀行家エイダン・クイン、FBI捜査官のマリオ・ヴァン・ピーブルズ、メキシコ犯罪組織のボス、アンディ・ガルシア。この三人の人間模様を描くって感じです。なんだけど描ききれてるかというとまったく何も描ききれてない。どれも中途半端で焦点が定まってない。
失敗がどうしたこうした、正義がどうのこうのみたいな能書きをたれるけど、なんも描けてない半端な映画でした。逃げるバンカーを追う話も、決着のつきかたがどうもしっくりきませんでした。
FBIのバッジにあんな効力あるのかな?みたいな。水戸黄門の紋所じゃないんだから、あんなのでおさまりがつくとは思えない。市場でエイダン・クインが犯罪組織2勢力からおいつめられて捕まる!っていうところに、FBIのマリオ・ヴァン・ピーブルズがエイダン・クインを確保。
おれはFBIだぞ!ってバッジをかかげて威圧すると犯罪組織のやつらはおとなしく引き下がって去っていくのです。そんなことある?って感じです。無法地帯メキシコでFBIのバッジにそんな力あるのかなあ?みたいな。
エイダン・クインが生き別れの娘を探すのを手伝ってくれる中年女性がやたらと目の下のシワを気にしていて、シワ取り美容クリームを薬局で買うことに人生かけてたのがなんか笑えたけど、あれもどういうキャラ設定なのかよくわからなかったです。
アンディ・ガルシアは裏社会のボスなんすけど、取引でヘマやって巨額のお金が必要で追い込まれてる老いた父親役でした。ファミリーの存続の危機に自らを差し出して息子たちを守るみたいな感じだったけど、この話もなんかよくわからないぼんやりとした描き方でした。
ぼんやりとした3人のドラマをぼんやりとした逃亡劇でつなげたみたいな、ぼんやりとした映画だったなあ。役者はいい表情してて演技はよかったんだけどね。
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