モノクロでした。
監督がドゥニ・ヴィルヌーヴだったので見てみました。
ちょうどGYAO!で無料放映やってたから。
ドゥニ・ヴィルヌーヴってSFっていうイメージがある監督。
こういうドキュメンタリーみたいなのも作ってたんすね。
ドラマ性を極力排除して起きた事件を描写していく感じです。
犯人がどういう人で、何を思って事件をおこしたのかみたいな部分は
あまり描かれません。
女性を敵視して憎悪をつのらせて犯行に及んだらしいけど、
犯人を主人公にしてその心理に深く迫る、
みたいな描き方はされません。
事件当日の流れを追っていく感じ。
こういう形式のはガス・ヴァン・サント監督の
「エレファント」っていうのがありましたね。
あれと雰囲気は似てるかも。
犯人はライフルをもって授業中の大学に侵入。
女性だけを部屋に残らせて、全員を撃ち殺す。
その後も構内をうろついて女性を狙って撃っていく。
そして最後は自分を撃って自殺です。
その惨劇を生き残った被害者の男子学生と女子学生の
その後が描かれて終わり。
生き残った男子学生は目の前で友達の女生徒が死んでいくのを
見て助けられなかったことがショックになって
その後、車でガス自殺。
生き残った女子生徒は悪夢にうなされることはあるけども
エンジニアとして職についています。
差し出されることのない手紙を書いて
事件のことを思い直すみたいな終わり方。
最後はちょっとポエムっぽいかんじで物語してましたけど
全体のトーンは物語というより記録映像的な感じかな。
多くを語らない感じ。
この映画を見ると事件についてもっと知りたくなります。
映画では理由やどういう人物だったのかみたいな部分が
ほとんどわからないので。
どうも犯人は女性が自分の居場所を奪ってるという考えにとりつかれて
犯行におよんだっぽい。
フェミニストを目の敵にしてる。
舞台は理系の大学なのかなあ。
生き残った女学生は優秀っぽくて、
インターンの面接で子供ができたらどうするのか
とか言われて困ったみたいなこと言ってたので
女性の社会進出がまだ今みたいに進んでない時代の話なんすかね。
ウーマンリブ初期の時代。
女性が強く、世の中で存在感を増していく時代。
そういう時代の到来を逆恨みしたのが犯人だったのかな。
被害者の男性、女性のその後も意味深だなあ。
男はショックに立ち直れず自死。
女はショックに耐えながら社会復帰。
女性の強さを感じる。
いろいろと考えさせる余白の多い映画でした。
でも小難しくてつまらないことはなくて、
銃乱射が始まってからのハラハラドキドキの見せ方がうまいので
飽きることなかったな。