おとなの事情
イタリア映画。
話が始まるまでの前置きが長過ぎる。
本格的に話が始まるのが開始30分後。
のんびりしすぎてないすか?
なかなか始まらないからもうくたびれちゃった。
お話もそんなおもしろいもんでもないし。
待たされたあげくにイマイチっていう映画でした。
10分ぐらいでスマホの着信やメールをみんなで見るという
ゲームが始まる感じだったらまだ我慢できたかも。
展開おそすぎる。
イタリアの映画賞、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で
最優秀作品賞と最優秀脚本賞をとった作品なんだけど、
イタリアってのどかなんだなあ。
こんなスピード感もない、面白みもない話で賞なんだから。
ラストのオチのつけかたがよかったってことなのかな。
仲良し友達が集まって食事会。
浮気がバレて離婚した人の話から、
夫婦間に秘密があるのかないのか、隠し事はどうなのかの話になって、
じゃあ、ここのみんなのスマホを出して、
着信やメールが来たらみんなで見るというゲームをするということになる。
隠し事がないんだったら、
スマホの中身を見られても困らないだろっていうことで。
それでいろんな着信やメールがあって、
それぞれの隠していた裏の事情が明るみになっていき、
仲良し友達、仲良し夫婦だったはずの彼らの関係が崩壊していく。
関係修復不能なところまでいくんすけど、
最後、家を出るシーンになると、
何事もなく揉め事なんてなんにもなかった様子で
彼らは帰っていく。
あれ?どったの?って一瞬思うんすけど、
そう、ゲームは行われなかったんスよ。
ゲームをしようと提案されたときに、
やっぱりやめとこうと止めるやつがいてゲームは行われなかった。
今まで描かれていたのは、もしゲームが行われていたら、
こうなっていたというもう一つの現実だったってわけ。
その日、月食かなんかの日で、
月がなにかと重なるみたいなのが観測されてるシーンがあったけど、
裏の世界、隠れて見えない部分がある、
二重の世界の暗喩として月食が出てきてるんでしょうね。
月蝕が夢幻の世界の象徴として使われている。
秘密暴露大会は幻の現実だったってわけ。
食事会はいつものように当たり障りのない上辺の楽しい会話で終わり、
浮気がばれることもなく、性癖がばれることもなく、
交通事故の身代わりがばれることもなく、
夫婦の間に愛もなにもないことがばれることもなく、
彼らは秘密を抱いて家路につく。
ばれたら困る秘密を持つことが悪いという正論もあるけど、
はたして秘密をみんなで明るみにだして
追求したり批判したりすることが幸せなのだろうかっていうね。
そこは大人の事情っていうことで
うやむやにして毎日をやりすごしていくのが人生ってもんだろみたいな。
シリアルキラーがなぜ犯行がばれるような手がかりを残して
自己顕示するのかっていうたとえ話みたいなのがでてきてたけど、
あれもなんかなるほどなって感じしましたね。
バレたいんだと。
自分ひとりで秘密を抱え込んでいることに耐えられずに
秘密を自分からばらしてしまいたい衝動が誰にでもある。
秘密をもたないことが気楽で一番ってことかなあ。
食事会のホストの男が
自分には秘密がないし、
スマホを見られても困らないからロックもしないよって
一人だけ秘密がないまっとうな人間っぽく描かれていたけど、
彼には秘密がないのだろうか。
娘に理解があって、妻の浮気を知ってるっぽいけど
追求はしないし、冷静で穏やかに物事に対処できる大人な男。
あ、妻の浮気を知ってるけど知らないふりをしてるっていうのが
彼の秘密なのか。
ピアスや豊胸手術、浮気相手の影を知りながらも
知らないフリをしている。
寛容な男を演じている。
これも苦しい秘密ですね。
奥さんが娘に異常に厳しいのは、自分の浮気の罪悪感からですかね。
娘が彼氏と楽しんでるというのが、
夫の友達と浮気を楽しんでる自分と重なってしまうから
冷静でいられなくて娘に辛くあたるってことか。
登場人物の事情をあれこれ詮索して、
どういう演技してるのかとか細かく見て楽しめる人にとっては
なかなかいい映画だったのかも。
自分はスピード感がないからイマイチでした。
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