コロニア
実話がもとのサスペンスムービー。
実話っていうか、
そういう施設があったという事実をもとに作ったって感じですかね。
この映画みたいな脱出劇が本当にあったのかな?
無理だと思うけど。
1970年代のチリが舞台です。
ナチスの残党が拷問の技術や組織化のノウハウを買われて
南米の組織に匿われていたという話を聞きますが
そういうバックグラウンドを知ってると舞台設定がよく理解できます。
でも、この映画は史劇やノンフィクション系ではなくて、
そんなことまったくわからなくても、
楽しめるようにエンタメにふって作ってありました。
愛のために危険に飛び込む勇敢なヒロインの物語にしてあります。
エマ・ワトソンはCAです。
スチュワーデスっていうやつ。
ドイツ人という設定です。
チリにフライトで来てて、
チリにいる恋人と再会するんです。
彼が反政府活動みたいなのに参加してたんすけど、
軍のクーデターがおきて反政府の奴らがとっ捕まえられる。
彼は捕まって収容所おくりになります。
その収容所がコロニア・ディグニダ。
表向きは宗教施設。
信者たちが集まって
自給自足の集団生活をしている施設になってるんだけど、
内実は軍事政権が拷問、洗脳に使用する裏の顔があり、
教皇と呼ばれる絶対指導者により
児童虐待、女性虐待が行われている恐怖の施設なのだった。
指導者は元ナチスで軍部や政府の高官とかとつながってる権力者。
そこにエマ・ワトソンが潜入する話です。
捕まった彼を救い出したくて、たった一人で敵地に飛び込んでいく。
いやー、なんにも武器も計画も支援もなしに
身ひとつで恐怖の施設に飛び込んでいくんすよ。
これが愛かみたいな。
コロニアでの奇妙な生活に耐えながら彼と再会、脱出。
彼は、電気ショックの拷問をうけて
脳がいかれたフリをして生き延びていた。
施設を出ることに成功してからもハラハラドキドキ演出があります。
ドイツ大使館に証拠となる写真をもって飛び込む。
これで安心と思ったところ、大使館員は軍部とつながってて
あやうくまた捕まりそうになります。
チリを出る飛行機に乗れるか乗れないか、
飛行機が飛べるか飛べないかのサスペンスがある。
ナチスの残党が身分を隠して
重要なポストについてることがあるっていいますね。
一番安全だと思える大使館ですら危険だっていうね。
まあ、そんな感じで最後は知り合いのパイロットに
強引に飛行機を離陸させてもらって
エマ・ワトソンは完全勝利って感じで終わりです。
まあ、なんていうか、見やすい感じに
エンタメ方向にバランス調整されてた映画でした。
施設の奇妙さ、恐ろしさみたいなのは、匂わせる程度の描写におさえられていた。
集団で暴力をふるったり、
指導者が性的虐待者であるという描写はあるんだけど、
そんなに詳しくは描写してませんでした。
あとサスペンスの見せ方が、やっぱヒーローが出てくるエンタメ映画っぽい
見せ方になってるので、エマ・ワトソンが危機に陥っても
まあ、大丈夫なんだろなって思っちゃっていまいちハラハラしなかったです。
再現ドラマ風にはならずに、ちゃんとエンタメ映画として
見れるっていうとこはよかったかな。
DMM動画:コロニア