面白かったなあ。ジョニー・デップのウォンカってすごい変人だったような気がしたんだけど、この映画のティモシー・シャラメは真人間だった。変な人っぽさがなかったです。
ファンタジーなのに話が現実味あって、それが面白かった。ファンタジーなシーンは正直、しょぼい。群衆が楽しく踊るシーンに、豪華さやスケールの大きさがイマイチないんです。こじんまりしてるなあって。
派手さがあまりないというか、地味といってもいいかも。まあ、それだけ馴染んだ映像になってる、作り物くささの少ない映像になってるとも言えるけど。
ティモシー・シャラメは船で働きながら世界中を旅してチョコレートづくりの材料をGETしながらお金を稼いで、さあ、憧れのなんとかっていう街の有名なチョコレート店がある商店街で自慢のチョコレートを売るぞと希望に胸を膨らませて上陸。
しかし、この街がろくな街じゃない。よそ者や旅行者にたかるやつらがそこらじゅうにいて、ティモシー・シャラメは速攻で一文無し。今日は野宿かって困ってるところに男が声をかけてきて宿屋を紹介してくれるのだが、
その宿屋は宿帳にサインをといって、だまして契約書にサインさせて借金を背負わせて地下の洗濯場で一生働かせる悪徳宿屋だった。
ティモシー・シャラメは字が読めないので、契約書に気がついても読めなくて軽い気持ちでサインしてしまいます。ティモシー・シャラメは人を疑うことをしない人です。
人の好意をうけて今まで生きてきたっていう根っからの楽天家でお人好し。チョコレートのことしか考えてないから、字も読めない。しっかしさ、街が犯罪都市すぎるんだけど。
悪徳宿屋が普通に営業。チョコレート店は結託して商売敵を追い出す。チョコレートマフィア。警察署長はチョコレート屋たちからチョコレートの賄賂をもらっている。賄賂のチョコレートを食いすぎてどんどん太っていく。
チョコレート屋たちは薄めたカカオのチョコレートを売っていて、残りは教会の地下に溜め込んで賄賂に使っている。教会もグルになってるわけ。神父はミスター・ビーン。
なんだこの犯罪都市はって。ダークすぎるだろ。映像はポップでお気楽なファンタジーなんだけど、設定がめちゃダークで笑ったよ。
詐欺、奴隷労働、汚職警官、チョコレートカルテル、教会の不正。とんだ犯罪都市だぜ。
そんな犯罪都市で、純真でチョコレートの魔術師であるティモシー・シャラメがどうやってチョコレート屋として成功するのかを見せる。宿屋の地下で強制労働させられてるやつらが他にも何人かいて、その人たちと一緒にがんばります。
チームで敵の目をかいくぐってミッションに挑む、スパイ・アクション的おもしろさでひっぱっていく。
いろいろ苦難があり、もうダメかっていう危機もあり、ハラハラドキドキの大冒険。楽しいです。
ウォンカのチョコレートの原料はキリンのミルクだった。動物園に忍び込んでキリンのミルクを絞るシーンとかある。ヒュー・グラント演じるオレンジ色の小人の助けなどもあり、最後はチョコレート屋たちの不正を暴きティモシー・シャラメのチョコレートも大評判で大団円。
強制労働仲間の女の子の本当の親もわかって、母親のもとに帰ってハッピーエンド。
売りに出されていた廃墟のようなお城を買い取って、夢のようなチョコレート工場の建築にとりかかるウォンカであった。おしまい。
なんだろな、もうちょっとチョコレートがヒューチャーされてもよかったような気がした。一応、いろいろ出てくるけどね。食べたら浮かぶチョコとか、パーティー気分で大胆になっちゃうチョコとかあったけど、
チョコレートが主役じゃないんだよなあ。
人情噺のほうがメイン。
まあ、グルメドラマじゃないからチョコレートは脇役でいいけどね。
あとはなんだろ、やっぱり不正というか、犯罪が妙にリアルというか生々しいのがおもしろかった。ファンタジーなのに、リアルだなあっておもしろかった。
賄賂で警察を買収とかさ。教会も結託してるとかさ。権力と富の癒着。チョコレート屋たちは事故にみせかけてティモシー・シャラメを殺そうとするし。
やってることがギャング映画か、ヤクザ映画で笑っちゃう。賄賂がチョコレートであったりして、ミュージカル調に歌って踊って陽気にやってるけど、内容はきついなって、その落差がおもしろかったなあ。
「チャーリーとチョコレート工場」も久しぶりに見たくなったなあ。ぜんぜん覚えてないからどんなだったっけ?
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