殺人容疑で裁判中の実業家のとこに、敏腕女弁護士が訪ねてくるとこから始まります。女弁護士が言うには、裁判に新しい証人が召喚されることになったので検事の追求をかわすために事件の細部を確認したいと。
陪審員を納得させる反証、証言をできるようにするため、事件のことを包み隠さず教えてほしいと。想定問答を3時間後の裁判までにやりましょうってことらしい。タイムリミットは3時間。
それで実業家は事件のことを女弁護士に話す。過去の回想になってどんな事件なのかが描かれていきます。
殺人容疑っていうのは、山奥のホテルで浮気相手の女を殺した容疑。実業家は自分は誰かに殴られて気を失って、気がついたら彼女が死んでいたというけど、部屋は密室状態で外部から人が出入りした形跡がない。
なんで山奥のホテルにいたのかというと、脅迫されてて、脅迫者がそのホテルの部屋でお金を受け取ることになってた。
なんで脅迫されてたのかというと、不倫旅行中に交通事故をおこして、事故相手の青年が死んで、それを車ごと沈めて隠蔽した。それをなぜか知ってる人間がいて脅迫されていたと。
そういう過去の事件がどんどん明るみになっていきます。
実業家視点で語られる事件のあらましはもっともらしくて、そうだったんだ~って思うんだけど、女弁護士は強くツッコミいれて、ほんとにそうなのか、隠し事はないのかと、さらに深く深く事件に迫っていく。
謎の脅迫者っていうのが、事故相手の青年の両親ではないかというのがわかってくる。実業家のほんとうの顔も後半、明らかになります。
前半では、浮気相手のほうが隠蔽工作に熱心で、自分は仕方なく従っただけって感じだったんだけど、ほんとは逆で自分のほうが隠蔽を率先してやっていた。
死んだと思ってた青年はまだ息があるのがわかったけど、生きてたら困るからそのまま沈めたと。隠蔽と殺人を告白する。
でも弁護士つかってお金で証人を作ったりとかして、ふう、これでおれは安泰だぜ~、って傲慢なワルの顔を見せる実業家。前半と後半で裏返る。
裏返るのはそれだけではなくて、女弁護士だと思ってたのが、実は事故相手の青年の母親だったのです。
変装して弁護士のふりして、事件のことを聞き出すためにこんな芝居をうっていたわけ。3時間というのは裁判までのリミットではなく、本物の女弁護士がやってくるまでのリミットだった。母親側のリミットだった。
交通事故の真相を聞き出し、息子をどこに沈めたかも聞き出すことに成功。すべては息子を殺して隠蔽したと思われる男から真相をききだし復讐するための両親の計画だった。
仕掛けがメインの映画なので、仕掛けに気がついてしまうと楽しめないかもです。
でもさ、仕掛けが重要な映画って仕掛けがないとフラットな気持ちで見るのが難しいですよね。ジャケット写真で衝撃の結末とか書いてあったりするし、予告編でもなにかあるぞって感じに匂わせるし。
そもそもこういうスペイン映画はマイナーなので、存在そのものに気が付かないから目に止まらない。気がついて見てもらうには、仕掛けがあっておもしろいんだよ~って言うしかないもんなあ。