FBIが居所をかぎつけてあぶないと察知すると移動して、地元新聞の死亡欄から適当な人の身分を拝借して身分証を偽造。組織からの支援もあって、新しい家と仕事を見つけて新しい町で新しい名前で生活を始めるのを繰り返している。
10年以上そんな感じで逃げてるのかな?20年近くかな?よくわからんけど、逃げるのも、新しい生活を始めるのも手慣れたもんです。
リヴァー・フェニックスは高校生。弟は小学生かな。息子たちも慣れたもんで、映画の冒頭ではリバー・フェニックスがFBIが監視してるのに気がついて荷物持ってすぐに親たちと一緒に逃亡するシーンです。
テキパキと料理や掃除や自転車のメンテとかやるリヴァー・フェニックス。いつでもどこでも生活できるように小さいときから仕込まれてる感じ。
一人で逃げ回るのだったらなんとかなりそうだけど、家族でこんなふうに逃げるのはあまりリアリティはなかったかな。リヴァー・フェニックスは転校を繰り返して、一応普通に学生生活をおくってる。
そんでピアノの才能がある。母親と祖母の才能を受け継いでいて、逃亡生活なので本物のピアノでろくに練習してなくて、運指の練習用の音のでない鍵盤で練習してただけなのに、音楽教師をうならせる演奏をする。
その音楽教師の娘と仲良しになったりします。父親はコック。コックの仕事はどこでも見つけやすいからだろうね。新生活もおちついたこと、昔の仲間が訪ねてくる。銀行強盗やらねえかって。
かつて彼らが若かったときは、本気で反戦運動やってて、本気でこれで世界はよくなると思って兵器工場を爆破したりしてたんだけど、それからときがたって、彼らも中年になって、昔のような高潔な思想も意志もなくなってきてる。
父親は落胆し、酒に酔って荒れる。そして偽名ではなく、本名を喚き散らす。偽りの生活に疲弊してるのだが、息子たちの前では強い父親を演じています。
でさあ、リヴァー・フェニックスのピアノの腕前に惚れ込んだ音楽教師がジュリアード音楽院への進学をすすめてくる。リヴァーもそうしたいと思うんだけど、父親は反対。大学行くっていうことは、リヴァーは逃亡生活はもうできない。
自分たちと別れることになる。FBIの監視がつくから二度と会えないと。でも、母親は賛成。もうリヴァー・フェニックスを自由にしてあげましょうと。
自分たちがやったことの罪のせいで、息子たちの人生を壊すのはおかしいと。疎遠になってる父親のもとを訪ねて、リヴァー・フェニックスの面倒を見てくれるように頼む母親。
母親はけっこういい家柄の人みたいですね。お金持ちの家っぽいです。祖母はピアニストかな?ジュリアード音楽院のオーディションを受けるリヴァー・フェニックスが冊子にのってる祖母の写真を見て、
新聞記事の写真と見比べてこの人がおばあちゃんなんだって気がついて会いに行くシーンとかあります。ピザの配達を装って祖母宅を訪れるリヴァー・フェニックス。
銀行強盗をしくじった昔の仲間から辿られて、またFBIの手が回ってきて、一家はまた引っ越しすることになる。
でも、父親はリヴァー・フェニックスにお前はここに残れって別れを決意する。お前は大学行くんだって。父親も子離れしなきゃって思ったのかな。走り去っていくバンを涙ながらに見送るリヴァー・フェニックス。おしまい。
これはリヴァー・フェニックスが旅立つ旅立ちの時ではなく、両親が子供から旅立つ旅立ちの時なんだって感じしたなあ。
親は子供を育てる義務がある。だけど、親の負の遺産を子供に背負わせてはいけない。
両親は爆弾テロ犯だけど、息子のリヴァー・フェニックスはそんなこと関係ないんだし。
家族は一緒が一番って思いがちだけど、そうでもないんだよなあ。誕生日会で楽しく歌って踊っていい家族って感じなのが悲しく見える。
最後の涙の別れが、悲しくなくて、逆に明るい別れ、希望のラストに見える。