それに題名がなぜKLUTEなのかもよくわかりません。邦題のコールガールのほうがぴったりじゃないか?だってジェーン・フォンダが主役なんだもの。クルートっていうのはドナルド・サザーランド演じる探偵の名前ですね。
ドナルド・サザーランドが主役のハードボイルドものなら、クルートっていう題名でいいけど、ジェーン・フォンダのほうが主役なので、なんか違和感ある。
失踪した男がいて、それを探すことになったドナルド・サザーランド。手がかりは彼が残したというNYのコールガールあての変態的な内容の手紙。そのコールガールがジェーン・フォンダ。まずはジェーン・フォンダの周辺から失踪を探っていくかとドナルド・サザーランドは彼女を監視する。
ジェーン・フォンダは売れないモデル、女優。生活費のために娼婦やってるみたいです。スキマバイトみたいに、電話一本で、ショートの客いる?ってホテル行ってちゃっちゃとお仕事。
コールガールはやめたいと思ってセラピーに通ってるのだが、いっこうにやめられない。なぜなら、娼婦であるとき、相手の男は自分を猛烈に求めてきて、彼女の言いなり状態になるから。
相手から求められて欲されるという快楽にとらわれてて、娼婦をやめられないでいる。
ジェーン・フォンダ演じる、都会生活で夢をかなえられずに消耗していく女性の描写が詳しく描かれているところが興味深くおもしろいところでした。
それでドナルド・サザーランドがいろいろ調べていくなかで、ジェーン・フォンダとできてしまう。ドナルド・サザーランドは表情があまりなく、言葉も少なく、何考えてるのかよくわからない男でした。
陰気で暗い男。
よくわからないといえば、失踪した男探しであちこち行ったり、誰彼に会ったりしてたけど、いまいちなにしてるのかよくわからなかった。
結局なんだったんだろう、この話?ってなる、なんかよくわからない映画だったなあ。
最後に、変態は実はこいつだった、案外近くに犯人はいたんだっていう定番のミステリ的犯人登場で、犯人が自分の性癖やこれまでの経緯を詳しく一人喋りで説明してくれる。
話し長いなあみたいな。
ジェーン・フォンダ危ない!ってなってドナルド・サザーランドが助けにきて、犯人が勝手に窓ぶちやぶって落ちておしまい。なにこれ?っていうね。
なんかほんと奇妙な映画。サスペンス・スリラー的な謎の犯人が主人公たちを見てるぞみたいな怖い感じのショットがあったり、
薄暗い映像で不安を煽ったりする映像がいっぱい出てくるのにぜんぜん恐怖感みたいなのは盛り上がりません。
ジェーン・フォンダ演じる都会生活する一人暮らしの女性の孤独と希望のなさみたいなのを描くドラマとしてはおもしろかったけどね。
ジェーン・フォンダは欲望をギラつかせて迫ってくる変態男たちの相手をしても満たされない。ドナルド・サザーランドみたいな何考えてるのかわからない暗い陰気な地味な男と一緒にいるほうがほっとして精神が安定する。