アーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション。荒廃した未来世界。政府によって文化が統制されている世界。テレビでの人殺しショー“ランニングマン”が大人気。シュワちゃんは軍人だか警察だか。
暴動の鎮圧を命令されてヘリで向かったところ、暴動は食料を求める非武装の集団だとわかるが、攻撃しろと命令されて、シュワちゃんは拒否。 政府に逆らうやつということで、収容所送りになって強制労働。
そこで知り合った反政府のレジスタンスのやつらと一緒に脱獄。レジスタンスに一緒に来ないかと誘われるが、おれは弟のとこに行くよと弟のアパートに行くと知らない女が住んでいて、彼女を人質にアフリカに高飛びしようとするが捕まってしまう。
テレビ番組ランニングマンは犯罪者をストーカーというハンターが狩る人間狩りの番組。シュワちゃんの走りを見た名物司会者は、こいつはいいぞって番組に出演させることにします。
犯罪者でもないのに、政府に逆らったということで、殺人ゲームに参加することになるシュワちゃん。そしてシュワちゃんなので、どんな敵がこようがボコボコに返り討ち。
ランニングマン開始のときに、司会者にむかってアイルビーバックってシュワちゃんが言ってた。「ターミネーター」でも言ってたけど、この映画でも言ってたんだ。この時代のシュワちゃんの持ちギャグだったのか。
敵がバカバカしいやつらばっか。ホッケーマン。チェーンソーマン。火炎放射器マン。電撃ビリビリマン。素手マン。
一応、なんだろ、番組の司会者が悪役でラスボスっていうことでいいのかな?曲がったことが大嫌いシュワちゃんが、偶然レジスタンスと共闘することになって、クソ番組ランニングマンをぶっ潰す。
それだけの内容です。政府を打倒するとかそういう大きなところまではいきません。だからこじんまりとした短編の話なんすよ。
アクションもいっぱいあるんだけど、けっこうあっさりしてる。今のアクション映画みたいに凝ってない。
中身はスカスカって感じなんすけど、今見てもけっこういいなと思うとこもたくさんあった。
フェイク映像を作って民衆を操作する描写とかさ、今っぽくてよかったですよ。シュワちゃんが人民虐殺の命令を拒否したのを、加工してシュワちゃんがやめろという命令を無視して非武装の群衆を攻撃した映像にして番組で流す。
ハンターをどんどん撃破するもんだから、シュワちゃん人気が出てきたのをやばいと思った番組側は代役の顔にシュワちゃんの顔をCGでかぶせて、シュワちゃんが負ける映像を作って番組で流す。
この辺がおもしろかった。こういう技術が未来世界のもので映画の中だけのものだったのが、今はこれが現実でできる時代になってるのがおもしろいです。
時代がバトルランナーを追い越した。もしかしたら、現代はバトルランナーの世界より悪い世界じゃないかとか思ったりさ。
TV殺人ショーはないけど、それに近いようなことはSNSで普通に毎日あるわけで、政府による統制がきつい世界、荒廃がすすんで民衆がすさんでいるというのも現実だし。
子供のころにバトルランナーをテレビで見てたときは、まるきり現実とはかけ離れたSF世界だと思って見てたと思うんだけど、今やそうも笑ってられないっていうね。
バトルランナーより現実のほうがひでえみたいな。
シュワちゃんはやっぱ80年代90年代が旬だったなあ。シュワちゃんとSF映画の相性がすごくいい。「ターミネーター」とかいいのがいっぱいある。「トータル・リコール」っていうのもあるんだけど、バトルランナーと似てる部分が多くないすか?
シュワちゃんが大きな陰謀に巻き込まれるという構図。工事の仕事してるシーン。ヒロインが白人じゃなくて有色人種。敵におれは戻ってくるぞと言うシーンがあるとかさ。映像の色味とか雰囲気もなんか共通してるような気がして。
バトルランナーとトータル・リコールは同じ世界線にある世界じゃないか?リコール社の記憶冒険旅行のメニューのひとつにバトルランナーがあるんじゃないかな。
人狩りゲームランニングマンに参加させられて、レジスタンスと合流して、政府を打倒するという記憶冒険旅行。