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『バーバリアン(原題:Barbarian)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


いろんな怖さの詰め合わせパック。うまくパックしてあるなあって思った。ホラーなんすけど、いろんなホラーの詰め合わせなんすよ。恐怖の幕の内弁当。次から次へと、まるで恐怖映画の歴史を見てるようだった。

不審者に対する不安の恐怖から始まり、バケモノの恐怖もあり、警察が頼りにならない恐怖もあり、クソ男の恐怖もあり、長年女をさらって監禁してた犯罪者の恐怖、地下室で生まれたバケモノの恐怖、歪んだ母性の恐怖。

それがうまく一つの物語に編み込まれてて、最後まで緊張感をたもって展開していく。いやー、おもしろかったですね。荒廃したデトロイトが生んだモンスターっていう感じなのもおもしろい。

町映画、町ホラーでもある。

お話は主人公がデトロイトで仕事の面接を受けるためにAirbnbで家を借りたところから始まる。夜に家について入ろうとするんだけど鍵がキーボックスにない。すると家の明かりがつき、見知らぬ男が中から出てくる。

わたしが借りたんだけど、あなた誰ですかっていうと、その男はぼくも借りたんだって言うわけ。別のアプリでこの家を借りた履歴を見せられる。ダブルブッキングらしい。

別のホテルに泊まろうとするけど町で学会があるとかで空き部屋が見つからない。外は治安悪いし、もう部屋も見つからないだろうから、ここに君も泊まればいいよという男。

周囲の環境が最悪。住宅街なんだけど、廃屋だらけ。火事で燃えたのかそのままボロ家で放置されたり、落書きされたり、めちゃくちゃ治安悪そう。不審に思いながらも、申し出をうけて見知らぬ男と一緒に泊まることになる……。

こんな感じの出だしで、めっちゃ不安な感じで怖くておもしろそうって話に引き込まれていく。男がなんか絶妙にただのいい人そうでもありなんか危なそうでもありって感じ。

いかにもあやしいとかじゃないのが逆に怖い。

夜、閉めたはずの部屋のドアが開いてて、なんだろうって男の様子を伺うとうなされてて、こわ!ってなるけど、ただの気のせいねってなってホッとして翌日。

お次は地下室です。アメリカの住宅って地下室が必ずありますよね。洗濯機とか置いてる。地下室になにかあるっていうお決まりのやつ。

地下室への扉が建付け悪いのかしまってしまって出られなくなる。仕方ないから地下室を探索。すると壁から変なロープが出てきてて、それを引っ張ったら壁があいて奥の方に通路があるのが見える。秘密の入口。

そこを進むと小部屋があってベッドが置いてあってビデオカメラも設置してあって、なんか壁には変なシミができてる。さらに階段があって奥のほうに通路が続いている。ここはやばいってギャーって主人公は逃げようとするところに、昨日の男が家に帰ってきたところで半地下の窓から鍵をわたして助けてもらう。

もう、この家から出るわって主人公ははやくこの場を去りたいんだけど、なぜか男が何があるのか確かめようって言い出す。なにかの見間違いかもって。

それでぼくが確かめに行くから待っててよってなって、こりゃやばいことなるぞって思ってると思ったとおりにやばいことなります。

さっさと逃げれば助かったけど、変な好奇心と興味で謎の領域に踏み込むからひどい目にあっちゃうっていうホラー映画の定番ムーブ。

そんで場面ががらっとかわって別の男が車を運転してるシーンになります。この男が今流行りのタイプのクソ男です。映画監督かなんかで、出演女優からレイプされたと訴えをおこされて仕事を失うところ。

裁判費用とかでお金が足りなくて、不動産を処分することになる。Airbnbで主人公が借りた物件の持ち主がこの人なのです。

家に行くと、誰かの荷物が置きっぱなしになってる。不動産屋にどうなってるんだって聞いたら、新しい借り手が予約したときに掃除するシステムだから前の借り手のものじゃないかって。記録では今は誰も借りてないとか言うわけ。

この男も地下室に入っていって、謎の秘密の出入り口を見つけて奥に進んでいく。でも彼は広い地下室があるということは売るときに有利だぞって嬉しくてメジャー片手で測量しながら陽気に地下室におりていく。

おかしな小部屋にベッドにビデオカメラとか発見してもなんとも思ってないのが笑える。やったぞ、こんなに広いなんていいぞ!って夢中でどんどん地下に入っていく。

そんで前半の主人公とこの男が合流することになってモンスターといろいろあって逃げることができるのかっていう展開になります。

モンスターっていうのが全裸の女。顔とかはちょっとおかしくなってるし、異常な力持ちだし車にひかれても高いところから落ちても死なないすごいやつ。

このモンスターが生まれる経緯も描写されます。デトロイトがまだ荒廃する前の時代、この家でなにがおきていたのかっていうのが描写される。

この家の住人の男が、女をさらって地下室に監禁して子供を産ませるのを繰り返していた異常者だった。

近所の事情通のホームレスのおっさんによると、何十年もあの家の地下に住んでいて、近親交配を繰り返してあのバケモノが生まれたとか。

こんな感じで後半はモンスターに襲われて戦う系ホラーになります。

ホラー映画のいろんなタイプ詰め合わせだなあ。

あと、おもしろかったのが、警察。ぜんぜんやる気なしです。デトロイトってあんなになってんのかな?警察機能が崩壊している。あまりにも犯罪が起き過ぎで、警察が人手不足、ひとつひとつの事案にかける時間もない状態。

主人公が家を脱出して命からがら逃げて通報して警察にあの家に犯罪者がいて監禁されてて逃げてきて、まだ人がいて危ないの!って言っても、

はいはい、またホームレスがヤクかなんかやって、酔っ払って戯言言ってるよって感じで、まったく真面目にとりあわずに、別の場所で事件がおきたという無線が入って、ブーンって行ってしまう。

映画の中の警察は優秀で真面目で被害者の訴えをすぐに飲み込んで頑張ってくれるものだけど、この映画ではまったく逆で笑える。

デトロイトではこういうことがありそうっていうことなんすかね。

いやー、でもよくこういうジャンル映画の小品にいろんな怖さを詰め込めたなあって感心するよ。

モンスターも悲しきモンスターだし。監禁事件の被害者の成れの果てがモンスターってことで、赤ん坊を育てるビデオを見せられて、見様見真似でお乳あげようとかしてるの見せられると、悲しくなってくる。

まあ、ここまで盛りだくさんでサービス大盛りしないと、もはやこういうホラー映画は成り立たないのかも。ワンアイディアで引っ張られても、退屈しちゃうから、いろいろ組み合わせることで現代でも楽しめる感じになるんだろね。



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