カレン・ギラン演じるサラは体調がなんだか悪くて、朝目が覚めると寝てる間に血を吐いててシーツが血だらけ。病院行って診察すると、不治の病で余命わずかと宣告されます。母親とは距離をとってて、もうすぐ自分が死ぬことを相談できない。
時代が近未来で、唾液から人間のクローンを作る技術が確立されてます。クローン技術を使った終末サービスで、不治の病とわかった人が自分のクローンを作って、自分の死後にそのクローンが人生を引き継ぐサービスがあるんすよ。
どうせ死ぬ、でも自分のことを忘れてほしくないっていう思いからなのか、サラはそのサービスに申し込む。
出来上がってきたクローンのサラのダブルと一緒に生活して、ダブルに自分の癖や志向を学習させていくんだけど、クローン製造時にちょっとエラーがあったとかで、ダブルの瞳の色がオリジナルとは異なっています。
そのエラーのせいなのか、ダブルのサラはオリジナルと同じにはなりません。好きな料理も違うし、服の好みも違う。わたしが死んだら私の代わりにしてって、恋人にダブルを紹介すると、すぐに恋人とダブルは打ち解けます、自分よりも仲良くなっちゃう。
彼氏からすると、君は暗いし内向的だけど、ダブルはそうじゃないから一緒にいて楽しいってことで、本当のサラのことをないがしろにしだす。ダブルのほうが出来立ての体なので、本人みたいに腹も出てないし、肌もきれい。
そのうち勝手に母親に会いに行ったりとかします。そんなとき、サラの病気が完治。医者は治る見込みがないとか言ってたのに、寛解したので、この先普通に生きていけますよとか言う。
ダブルに人生を乗っ取られていくと感じていたサラはダブルの廃棄処分を申請。この世界ではオリジナルとクローンの併存が許されるのは、オリジナルが末期的な病気である場合だけで、病気が治ればダブルの廃棄がされるのが通常なんだって。
なんだけど、ダブル側が生存を希望すると、オリジナルとダブルが決闘して、殺し合って生き残ったほうがオリジナルとして生きるというシステムになってます。
むちゃくちゃな世界だ。そんな法律あるなら、ダブルなんて誰も作らないよなあ。
サラは決闘に向けて、戦闘訓練士を雇う。決闘することになったら、みんなこうするみたいです。体を鍛えて動けるようにして、戦闘に必要な知識を勉強、人を殺すことの心理的なハードルもこえる訓練をする。自分そっくりの人間を殺す準備をする。
その間も、サラはダブルの生活支援をする義務があってお金はどんどんなくなって破産寸前になっていく。
彼氏も母親もダブルのほうをサラとして扱って、本物のサラは邪魔者扱いです。
本物よりもダブルのほうが自分にとって心地よい相手だから。彼氏の態度がひどい。
孤独な訓練風景がけっこういっぱい描かれます。自重筋トレで基礎体力づくり。決闘の方式は、広い場所でお互いの前にテーブルに5つの武器が隠されて置いてあって、それをスタートと同時に使って相手を殺す。
どの武器を選択するか、武器の特徴と特性を学んだりとかします。銃は弾切れ要注意、ナイフは素早く動ける近接戦闘に向いてるとかね。
訓練士と決闘のシミュレーションして、武器の選択、戦闘の流れとかを確認したりとか、訓練シーンがけっこう凝ってる。
ここまで詳しく訓練シーンやるのに、最終的な決闘シーンはありません。ズコーッ。決闘ではない決着をする。
決闘前に二人が接触して、いろいろ話て、なんでわたしたちが殺し合いしなきゃいけないの、二人とも生きてたらダメなのかって意気投合します。
決闘当日、二人は国境をこえて逃げるために森の中を進む。決闘をボイコットして二人で逃亡するという計画だったんすけど、ダブルのほうはそう思ってなかった。
水分補給しておきましょうって出発前に飲んだ水に毒をもってて、オリジナルを毒殺して、自分は決闘会場にオリジナルだといって戻ります。
自動車の運転がうまくできなくて、ボコボコに事故って足引きずって戻ってきてるし、目の色が違うはずだし、警察が捜査してる描写があるし、バレるのかなって思ったら、
裁判で彼氏や母親が彼女がオリジナルで間違いないと証言して、サラのダブルがオリジナルということになります。
これでダブルの大勝利で終わるのかと思いきや、このあとのダブルの人生は、順風満帆ではない。彼氏とのさめきった関係、一方的な母親の相手を続けて、生きていかなければならない。
自動車の運転も満足にできないダブルにとってこの先の人生はけっして簡単ではない。面倒ごとがたくさん。ラウンドアバウトで車を停車させて途方にくれるダブル。
オリジナルになりかわったけど、オリジナルが生きるはずだった苦難も自分が背負っていくことになるわけで、どっちにしろ人生は辛いよっていうエンディングかな。