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『普通の人々(原題:ORDINARY PEOPLE)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


覆水盆に返らず。こぼれたミルクを嘆いても仕方ない。ロバート・レッドフォード監督の家族ドラマ。長男が死んで壊れてしまった家族を描く。希望のない暗い話だったなあ。壊れたものは治らない、見ないようにしていた傷が決定的に明るみに出て家族が完全にバラバラになるエンディングだった。

裕福な家ですね。豪邸暮らし。ドナルド・サザーランドとメアリー・タイラー・ムーア夫婦に息子のティモシー・ハットン。どこにでもいそうな普通の金持ち家族に見えるんだけど、家族の関係はギクシャクしている。

ティモシー・ハットンはつい最近退院して学校に復帰するんだけど具合が悪そうです。

自殺未遂して入院してたらしい。ドナルド・サザーランドはなんでも話してくれって見守る感じで、母親のほうは自分の用事であれこれ忙しくしてて、息子とは距離がある。

ティモシー・ハットンは精神がまいって耐えきれなくて、入院中に紹介された精神科の医者のとこに週に2回行くことにします。まあ、それでいろいろ家庭のこと親のこと、死んだ兄のこととかを話してなんとか立ち直っていくのを描写する。

この家族には長男がいて、母親は溺愛していた。詳しくはわからないけど、人気者タイプの兄貴みたいだったですね。水泳部は兄貴がやってたからティモシー・ハットンも入ってたみたい。

なんで死んだのかというと、ティモシー・ハットンとヨット遊びしてるときに嵐がきて転覆して兄貴が死んでティモシー・ハットンが生き残った。それをティモシー・ハットンはずっと気にしていた。

兄のことを話そうとしても、母親は話をそらしてしまう。罪悪感、疎外感、孤独を感じてティモシー・ハットンは自殺をはかったようです。水泳部もやめちゃう。兄の友達たちがいて、彼らと一緒にいるといたたまれない気持ちになっちゃうので。

母親は冷静を装い、なんでもないというフリをし続ける。そんな母親の態度にティモシー・ハットンが耐えられなくて精神を病んでしまったってことかな。

病院で仲良くなった女の子が自殺したというのを電話で聞いて、ショックでおかしくなりかけたティモシー・ハットンですが、

精神科医のセラピーと合唱の時間に知り合った女の子とデートとかすることで、ティモシー・ハットンはだんだんと立ち直っていく。

息子だけが問題なのかと思いきや、ドナルド・サザーランドやメアリー・タイラー・ムーアのほうも問題をかかえていた。

ドナルド・サザーランドは妻の愛情に疑いを抱く。彼女は死んだ息子だけを愛していたのではないか、彼女は自分だけを愛する人間なのではと。

それを妻につげたとき、妻は荷物まとめて家を出ていきます。

普通の家族、普通の親と子、普通の夫婦を演じ続けようとしたメアリー・タイラー・ムーアはもう普通を装うのは無理だとさとって出ていったのか。

うーん、わかったようでわからないようで。

確かに母親のメアリータイラームーアは自己中に描かれている。息子が自殺未遂したのにあまり気にしていない。自分の予定や旅行や楽しみを優先。

息子が水泳部をやめたことを黙っていたと怒るけど、それは自分がダメな母親と思われたからで、息子のことはどうでもいい感じです。

ゴルフ旅行に出かけて、今度は息子も一緒に行こうってドナルド・サザーランドが言うと、わたしを責めるのねとか言い出して怒り出す。ドナルド・サザーランドからしたら、家族で旅行行こうと言ったのがそんな怒るようなことなのか、わけがわからない。

こういう妻の言動が積み重なって、彼女は自分を愛しているわけではない、家族を愛しているわけではない、彼女は彼女自身を愛しているのだとわかってしまう。

なんかこういう設定の家族ドラマなら、最後にみんなで怒鳴り合ったり、叫んだり、喚いたり泣いたりしながら本音をぶつけあって、抱き合って和解するみたいなエンディングになってもおかしくないと思うんだけど、この映画は静かに終わっていく。

もうダメだというのがわかっておしまいになる。壊れた家族は修復不能っていうことなのか。

長男の死をみんなで乗り越えて、家族はまた新たなひとつの家族となりましたみたいな希望のエンディングにしても良さそうなのになあ。

家族がぜんぜん他人みたい。ティモシー・ハットンは精神科医とした話を父親や母親とするべきだけど、家族だと近い存在ゆえに話せないってことなのか。

家族ってなんだろね。大変なときに頼れない、気持ちをぶつけられないのだとしたら、家族は他人よりも他人な存在になってしまう。一緒にいる意味がない。



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