不登校という現実の重い事柄をSFファンタジーの設定をからめて描く。なんか自分の学生時代を思い返したなあ。学校嫌だったなあって。毎日毎日、学校行くのが苦痛で仕方なかったのを思い出した。
勉強が好きじゃないというのもあるんだけど、それよりも集団生活をうまくやれない自分に嫌気がさして、学校に行きたくないと思ってたなと。不登校にはなってなかったけど、気持ちはいつもここにあらずで学校生活を満喫はしてなかったなと。
組織の中でうまく立ち回れない自分に嫌気がさしてたというか、集団のなかでどうやっていけばいいのかわからず戸惑い続けていたというか。
いつ不登校になってもおかしくなかったなあって。
お話は不登校になってる中学生の女の子が鏡がひかってそこに引き込まれると、お城があってそこには6人の中学生がいて、みんなもどうやら不登校らしくて、オオカミ様とかいう仮面を被った女の子が言うには、
お城にある鍵を探して見つけたら願い事をかなえようっていうことで、なんとなくお城ですごして徐々に仲良くなっていく7人って感じです。
鏡を通路に現実世界とお城を行き来する。お城は9時から5時まで。時間をすぎると狼に食われるよ。
それぞれ中学1年や2年や3年で、みんな不登校で事情がある子どもたちなので、あまりお互いを詮索しません。不思議な縁で集まったんだけど、自己紹介もとくになく、名前と年齢ぐらいしか知らないまま、微妙な距離感のなか時間が過ぎていく。
なんかそれがリアルだなあって思った。
自分のことを喋りたくないときって、相手のこともとくにつっこんであれこれ聞く気にならないもんだから。
まあそんで、それぞれの不登校の事情みたいなのがわかっていって、鍵探しもゆっくりと進んで、どうなってるんだっていう謎も出てきてって感じ。
制服から、全員同じ中学校の生徒だとわかる。まあ、一人はハワイ留学してるけど、その中学校に通う予定だった。
それで、勇気をだしてみんなで登校しようっていう日になるんだけど、みんな登校したけど、それぞれ会うことができない。
どういうこと?ってなって名探偵コナンがパラレルワールド説を披露する。謎は全部解けた!って。それぞれが違う世界線で生きているから会えなかったんだと。でもそれは違って、実は、違う時代を生きていたっていうのがあとでわかります。
生きてる年代が違ってた。
7年ずつ違う時代の中学生が集まってた。
このへんの謎はSF小説やSF映画をよく見てる大人はすぐに気がつくかもしれません。
クライマックスは一人の女の子がお城は9時5時という禁止事項をおかして狼に食われてしまう。もう現実に戻りたくないって5時過ぎちゃう。連帯責任でそのときお城にいた他の5人も食われてしまう。
ひとり残った主人公の女の子が彼女たちを救うために鍵をみつけて願い事をして、みんなを救う。
で、その救った女の子がじつは、主人公のフリースクールの担当の先生なんです。
6人が救った彼女がフリースクールの先生になって、主人公を救う側になっていた。鍵を使ったらお城での記憶は消えてしまってなにも覚えてないことになるので、現実世界で再会してもお互い初対面。
初対面の他人だけど、ちからになってくれる人は、もしかしたら別の世界で縁があった人なのかもしれないですねっていうSF的ロマンストーリーでした。
あとオオカミ様の正体はハワイ留学してる男の死んだ姉でした。弟思いの姉がお城にみんなを集めたってことかあ。
細かいことはよくわかんないんだけど、別に細かい設定を知る必要もないかな。
うーん、まあちょっとギミックが全面に出過ぎてて、ドラマとしてはうまくできてないような気がしたけどなあ。
あと、音楽がどうも変だった。
後半のクライマックスシーンでかかる音楽が、妙な演歌なエレキギターだったりして、この音楽どうなの?って気になってしまった。
映像はイマイチ、音楽の使い方もイマイチ、お話も仕掛けが全面に出てイマイチ。
いやー、でも学生時代のいやーな感じはリアルでよかったです。怖いシーンがいっぱいだ。活発でお調子者で先生受けもよくて子分をいっぱいひきつれてる人気者から目をつけられていじめられる怖さ。
集団生活をうまくやって最大限利用できてるやつからの執拗な攻撃。怖すぎる。あれは怖い。
そういう怖さはうまく表現されてたからおもしろかったなあ。まあ、その解決方法というか、親が一緒に戦おうとか言うとか、学校もクラスをかえる配慮するとか、そこらへんは嘘くさい感じでなえたけどね。