自分が子供のころから、なんかこういうエンタメ映画は邦画は苦手なんだなって感じてたけど、それが2023年になっても、まだ同じレベルなんだと思っちゃう演出、映像の続く139分。むしろ退化してるかもしれない。
サバゲーのような銃撃戦。棒立ちなのに主人公にはまったく弾が当たらない。当たってもまったく死なない。
敵がサイコ演技。ウッケッケッケみたいな、いかにも頭おかしいですよみたいな熱演をする。悪役のお偉いさんがお偉いさんにみえない。
いやー、これが30年前の映画なら、こんなもんかなって思うんだけどつい最近なんだよなあ。
板尾創路の陸軍コント。ちょろちょろ動き回って、怒鳴って、部下を罵倒するとかさ、逆に小者にしか見えないし。偉いやつはどっしりかまえて、言葉少なで物静かで動かないほうが、怖さとお偉いさん感でるのに。
演出や映像で階級差とか人間の器の違いや心情を見せるんじゃなくて、役者に感情むき出しの演技させることで描いたつもりになってるやつ。
まあ、中間管理職的な小者ではあるんだけど、板尾創路のキャラクターを活かすなら物静かで動かないほうが不気味で怖い。
まだこんな見せ方するんだって、悲しみしかわいてこない。これが80年代とか90年代の映画なら、昔の映画だしそういうもんだなって思って楽しく見れると思うんだけど、これつい最近だぜ。
役者の見た目の良さはすごくいいんです。写真だったらバエるだろなあみたいな。衣装も大正ロマンな感じでいいし。
ただ、喋ったりアクションしたりすると、まったく魅力なしになる。これは撮り方がよくないから、役者の見た目の良さを引き出せてないと感じます。
お偉いさんがお偉いさんに見えない。悪役がサイコ演技。アクションの見せ方がいまいち。なんか悲しみしかわいてこない。
なんかほんと静止画だったらかっこいい絵になりそうだなみたいな感じなんすよ。これ紙芝居で弁士かなんかがナレーションしてくれたら楽しめそうみたいな。
綾瀬はるかは格闘戦とかやってたけど、どうなんだろなあと。リボルバー・リリーっていってるんだから、銃の名手ということで撃ちまくる人でよかったのに、格闘技余計じゃないかみたいな。
格闘技より銃撃にちからいれてほしかったですね。最初に銃を撃つシーンがなぜかちゃんと見せないシーンになってて、それも残念だった。
トラックのところで一瞬に数人を撃って戦闘不能にするっていう早撃ちの場面なんだけど、撃ってる姿を映さない謎の奥ゆかしい演出でした。銃を撃つファーストシーンでこれはないよなあ。
大きな銃撃戦が2回ぐらいあります。綾瀬はるかの家を陸軍の部隊が取り囲んで銃撃戦になるシーン。なんか迫力ない。ほんとサバゲーみたい。シシド・カフカが活躍。これまた見た目がいいんだよなあ。
最後、霧の中での銃撃戦。これもなんで霧にしたんだろ。よく見えないんすけど。よく見えないけど、綾瀬はるかにはよく見えてるらしくて、百発百中で敵をしとめていく。
敵のほうは綾瀬はるかが見えないみたいで、ほとんど当たりません。それで霧がはれてきて、けっこう綾瀬はるかも弾をくらう。全然遮蔽物がなくて身を隠してないから、そりゃ当たるんだけど、まったく死なない。
なんかよくわからないんだけど、謎の老婆が出てくるんすよ。その老婆が謎の入れ墨をいれて体を癒やすみたいなことをやる。これのおかげで綾瀬はるかは死なない体になってたのかも。
そういう設定があったのかな?よくわからない。清水尋也、ジェシー、吹越満、野村萬斎など男たちが癖強いのもあまりいいとは思わなかったかな。
お話は大金をめぐって陸軍とか海軍とか綾瀬はるかたちとかが、お金のパスワードを知る子供、羽村仁成をめぐって争う話でした。
主演は綾瀬はるかではあるのだが、彼女視点でがっつり物語を見せていくという感じではなく、誰にも視点が定まってない感じなのもよくなかった。
誰の物語として描くのかという部分がなかった。
これも邦画でよくあるやつで、大きな事件を描いていくんだけど、誰が主役なのか、誰の視点からの物語なのかがよくわからないまま、焦点がぼやけてふわふわと曖昧な感じになるっていうね。
綾瀬はるかが主役なのになぜかそう感じない。主人公不在な感じがしちゃう。
なんか悲しみしかわいてこない映画だったなあ。いやー、ある種の面白さはあるから、全然ダメってわけじゃないんだけど、今も昔もこういう感じなんだなって思って、なんだか悲しくなってきた。
リボルバー・リリーのモデルガンとか出てないのかな?この映画が大ヒットしてたら、綾瀬はるかモデルがエアガンとかモデルガンとかで発売されてたかも。