悪夢から抜け出すには仲間や親の愛だろ愛っていうね。愛は勝つっていう話でした。春日部の住民が夢を吸い取られていたのは、謎の少女の父親の仕業。なんで他人の夢パワーを吸い取る必要があるのかというと、娘サキの悪夢を消すため。
サキの悪夢を大量のユメルギーで打ち消す装置を父親は作った。町の住人の夢のエネルギーを吸い取り尽くすと、引っ越してまた別の町で同じことをする。そうやって暮らしてる父と娘。今回の敵はこの父親っていうことになるんかな。
まあ、でも悪人というわけでもなく、娘のためにならどんな非道なことでもやるという妄執にとらわれた悲しき親って感じでした。母親が死んじゃってんの、実験中の事故で。その事故でサキを救うために母親が死んでしまった。
そのことで自責の念にとらわれて自分を責めるサキは悪夢を見るようになってしまった。母親は自分を恨んでいる、母親は自分を憎んでいるという思いにとらわれた娘。まあそんな不幸な父親と不幸な娘をしんのすけ、ひろしとみさえ、かすかべ防衛隊の面々は救うことができるのか。
治療、癒やしの物語かなあ。バトって悪人を倒してめでたしというものではないですね。題材が夢なのでこういうトラウマの克服、治療みたいな話になるのかな。眠っているときに見る夢って興味深いですよねえ。
夢の内容の意味を考えたりとかさ。夢分析とかおもしろいし。夢がテーマということで今敏監督の「パプリカ」を連想しました。あれもなんかはちゃめちゃなアニメじゃなかったでしたっけ。
最初はツンケンして人と距離をとっていたサキなんすけど、しんのすけやかすかべ防衛隊のめんめんの押しの強さに負ける形でだんだん打ち解けていく。かすかべ防衛隊にも入る。サキの悪夢を消すには、夢を食べるバクを夢の中で探してみつけて悪夢を食べてもらえばいいんだっていうことになってみんなで寝て夢の中に入ります。
なんかクリストファー・ノーラン監督の「インセプション」みたいだった。サキの作り出した悪夢の元凶、怪物になってサキを呪う母親と対決。しんのすけがばくに変身。食べても食べても食べ尽くせないってなったとき、みさえがしんのすけの夢に入って助けに来る。
母は子を守ろうとするもの。サキの母も恨んでなんかいないと親の気持ちを語る。それでサキは後悔の念から解放されて、母親を失った悲しみと共存することができるようになって悪夢が消える。ハッピーエンド。
困難に立ち向かうには仲間が助けになる。悲しみから立ち直るには愛が必要。きれいにまとまりました。