あやしげなエステ店でロボットの体に改造されてしまったひろし。お尻から灯油を補給して動くロボとーちゃんになってしまってみさえは困惑する。しんのすけは本物のロボだと喜んでる。機械になってしまったと落ち込んでいたひろしだが、ロボットの体の機能を活かして大活躍。
ロボットも悪くないなって思い始める。仕事もバリバリ、家庭の家事もバリバリ、しんのすけの相手もして、ロボになる前より野原一家の雰囲気はよくなる。家に居場所がない父親だったのが、父親としての威厳や尊敬を取り戻して一家の主としての居場所ができたように思えた。
ひろしをロボットにしたのは、失われた父親の威厳を取り戻すのを目的にした父ゆれ同盟という組織。ロボットを使って父親たちを先導しておやじの威厳の復権を目指していたのだ。しかしその復権とは、昔ながらの頑固おやじが恐怖によって行う支配だったのだ。
最初けっこうビビりましたね。ひろしがロボットの体になっちゃった!どうやってもとに戻れるのか、大丈夫か?って心配になったけど、ロボットの体になったわけではなくて、ひろしの記憶や心をコピーしてロボットに移植したということで、生身のひろしはちゃんと無傷でいたので安心しました。
ロボひろしと生身のひろし。どちらもひろしとしての自我を持ち、心はひろし。では、どちらが本当のひろしといえるのか?みたいな。体はロボでも心はひろし。体が機械だから、ひろしではないと言い切れるのかみたいな。
そういう人間性はどこにあるのか問題の話と、家庭に居場所がなく公園でたむろするようになった父親たちの父性とはなにかという話の組み合わせ。その人らしさ、その人の存在意義はどこにあるのかみたいなお話と、家という組織の中で父親がどういう存在であればいいのかという話をうまく組み合わせてやってた。
昔の頑固おやじとか家庭の長としての父親とかの存在って、なんだろ、暴力や経済力、権力や恐怖で納得させるものだった。それをもう一度復権させようする父ゆれ同盟は、アナクロでほんとに悪だと言えるだろう。
それを野原一家がこれが俺たちの考える家族の形だって倒す。きれいにまとまっててわかりやすくてよかったです。