確かに極悪だけどね。
チョップで何人もあの世送りにしてましたけどね。
なぜか悪人には見えないのであった。
1968年の映画。
若山富三郎先生による極悪坊主シリーズ第1作目です。
まあ、簡単にいうと破戒僧の若山富三郎が
市井の人々を食い物にする悪い坊主とヤクザを相手に
暴れて成敗する話。
もともといい坊主だったんすけど、
同門の菅原文太がチンピラにからまれて
喧嘩になってるところ
若山富三郎が仲裁にはいって乱闘になって
相手をぼこぼこに。
その罪をとわれて処分されたことで
ひねくれてしまって
そこからは女は買う、博打はうつ、喧嘩はするで
破戒僧になっちゃったという経歴の坊さんです。
なぜか菅原文太はなんにも処分されない。
まあ、悪い坊主の仲間だからですかねえ。
この坊さんたち、なんかよくわからない坊さんたちです。
少林寺みたいに空手の修行して体を鍛えたりしてます。
僧兵かな?
お、これは若山富三郎のスーパーアクションが見れるぞと
期待したのだが、盛り上がるアクションは
最後の最後だけで
大部分はアクションなしで
人情ドラマが展開するのです。
意外だったなあ。
男と女の情。
親と子の情。
そういうまっとうなドラマが展開する。
あまりにもまっとうすぎてどういうことだと。
若山富三郎のドギツイキャラと
話の普通さのギャップが大きいです。
若松富三郎は適度にふざけてて、
弟の勝新太郎がやってる座頭市リスペクトなのか
按摩のふりするシーンとかありおもしろいです。
京唄子や白木マリとの笑えるラブシーンとか。
ネズミの刺身をチンピラたちに
だまってだして食わせたりとか、
生き生きとふざけてていい感じなんすよ。
そして最後、お待ちかねのアクション。
コロコロ体形なのに動きの素早さ、体のキレがすごい。
華麗な動きでばったばったと坊主をぶち殺していく。
チョップ、チョップですよ。
菅原文太との一騎打ちもあります。
素手で悪党どもを成敗しまくってしまった若山富三郎。
仏につかえる坊主が悪をうつためといえ
暴力で殺生しまくってしまったということで
極悪坊主なんすね。
悪い坊主っていう意味じゃないんすよ。
坊主としてはやってること間違ってるんだけど、
人としてはまったく間違ってないっていうね。