鈴木清順監督、小林旭主演、1963年の日活任侠映画。
わけがわからない。
鈴木清順監督の奇妙なこだわり満載。
任侠映画なんすけど、奇妙すぎる。
終始すごいシリアスな決め顔をしているのだが、
眉毛が奇妙すぎて見てて思わず吹き出してしまう。
組の娘、松原智恵子と友人の中原早苗は
彫師が平田大三郎に入れ墨をいれるのを見学。
中原早苗を見初めた平田大三郎は温泉街に中原を売り飛ばす。
組の幹部、小林旭は中原早苗を探して温泉街をさまようと
過去に因縁のある伊藤弘子と出会い、
賭場でイカサマ師伊藤雄之助とサシで勝負することになる。
よくわからんストーリーだし
映像のリズムがとにかくおかしい。
いったい何をやっているのか。
いったい何がしたいのか。
奇妙な鈴木清順ワールド。
変なテンポの映像のつなぎ方。
同じ登場人物なのに、
シーンがかわると突然さっきまでとは
違うことをやりだすので
別人のように見えたりする。
最後の15分ぐらいで、
あれとこれがここでつながるのか!と
話の全体像が見えてきて、
前半のあれがこうなるのか!と
少し興奮したのだが、
冷静に考えると、え?だから何?みたいな。
前半、中盤と奇妙なテンポで展開する
登場人物たちの奇妙な行動をたっぷりみせられているので
うまいとは思えず。
ぶつ切りの断片を切り貼りしたような
奇妙さを感じる。
この奇妙な味わいが鈴木清順の人気の訳なのか。
鈴木清順けっこうカルト人気ありますよね。
海外でもけっこう人気あるみたいで、
初期作品とかもブルーレイで出てたりするし。
いやー、わけがわからない。
最初から最後まで奇妙。
小林旭の眉毛。
小林旭が敵の首にドスを斬りつけて
ふすまがばーんっ吹き飛んで赤い背景になるとか
おお!なんだかかっこいいぞ!って一瞬なるんだけど
うーん、なんなんだろ……と
狐につままれたような感覚になってしまう。
この変な感じは監督が狙ってやってることなんだろ思うんだけど、
何を狙ってやっているのかは不明。
奇妙に思ってほしいってことなのか。
とくに深い狙いはないのか。
これが鈴木清順にとっては普通なのか。
わからない。
小林旭のマジック眉毛。
わけがわからない。
寿司の醤油皿の醤油の水面を鏡代わりにイカサマするとか
なかなか粋なシーンがあるので
楽しめたことは楽しめたんすけどね。
原作は平林たい子の「地底の歌」という小説で、
なんか一度石原裕次郎出演で映画にもなってるようですね。→「地底の歌」
裕次郎映画を小林旭がリメイクって
そんなこともあるんだね。
石原裕次郎とは違う役作りをということで
あの眉毛になったのかなあ。
あ、でも役が同じじゃないのでそういうわけじゃないか。