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『にっぽん実話時代』を観たんだ【映画】

高島忠夫主演のジャーナリズムって何かね?映画。
1963年のコメディ映画。
にっぽん実話時代と書いて
にっぽんスキャンダルじだいと読ませるみたいです。
いつの時代もスキャンダルなゴシップが
大衆娯楽になるのは変わらないってことかあ。
コメディなんすけど、後半はシリアスになります。
終わり方もじとーっとした感じで
痛快でおもしろ!って感じの終わり方じゃないです。
まったく売れない経済雑誌を作ってる出版社が
社長の方針転換で
とにかく売れる大衆ゴシップ雑誌を売ることにする。
そのために呼び寄せられた新編集長が高島忠夫。
お堅いジャーナリズム精神なぞ捨てて
これからは火のない所に煙を立てまくって
大衆の娯楽になる記事を書くんだと記者たちに発破をかける。
ヌードにスポーツ、女優の下着の色に色恋沙汰。
下世話な記事で埋め尽くされた新しい雑誌は
どんどん売れていくのだが……。
こんな感じのストーリーです。
前半はコミカルタッチでお堅い経済雑誌記者たちが
下世話なゴシップ記者になっていくのを
テンポよく描いていきます。
記者役に田中邦衛、ミッキー安川、ミッキー・カーチスなど。
ミッキー・カーチスはオカマ言葉の女たらしというキャラクターで
変でおもしろい。
返本の山で印刷代にも困っていた経済紙出版社が
ゴシップ雑誌で大ヒットして羽振りが良くなっていく。
出版部数はどんどん伸びて記者たちも
初めは勝手がわからず戸惑っていたものの
ゴシップ記者のやり方にもなれて
適当なおもしろ記事をどんどん書いていく。
トルコ風呂での会話を隠し録音したものを
ソノシートで付録につけてこれまた大ヒット。
女装したミッキー・カーチスが
デートクラブに潜入した録音も大うけ。
ゴシップ雑誌として売れてくると
特ダネが向こうから飛び込んでくるようになる。
大銀行とバーの女経営者のあいだの不正融資の情報が入ってきて
これはすごいとなってきたところから
話はコメディからシリアスになってきます。
ジャーナリズム精神なんか捨てて
スキャンダルなゴシップを垂れ流せと
言っていた高島忠夫は昔は真面目な記者だったんすよ。
大物の不正を暴く記事を書いて発表しようというところで
圧力がかかって抹殺されたという過去がある。
ゴシップゴシップと言ってたやつが
実は真面目なジャーナリズム精神の持ち主。
それで今度の銀行の不正融資のネタは
過去の負けを取り返すリベンジなわけです。
圧力がかかってくるけど、
それに屈せず記事を書いて出版しようともがく。
相手は大物。
印刷所に手をまわされて印刷できない。
ヤクザが襲撃してくる。
とことんまでやってやると
頑張る高島忠夫と部下たちだったが
大きな敵にはかなわず結局は負けてしまう。
え~?
こんな終わり方ってどうなんだろ。
コメディで始まったんだから、なんかいい方法を見つけて
おもしろい着地になってほしかったんすけどねえ。
ジャーナリズムは資本に負ける。
なんでこんなに真面目なエンディングにしちゃったんだろ。
なんかしんみりしちゃったね。
現実がつらいから
映画でも見よかと見たら
映画の中でも現実の辛さを見せられた。
楽しいだけで見た後中身忘れるぐらいが
ちょうどいいんだけどね。

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