1966年の映画。
けっこう盛りだくさんです。
90分ないぐらいの長さに、あれこれつめ込まれてて
けっこうお得な感じがしたなあ。
仲代達矢が若い。
田中邦衛も若い。
平幹二朗もね。
というかみんな若いなあ。
ギョロ目でギラついた野良犬感があるキャストたち。
劇団とかが盛んで若い役者が
どうにかのし上がろうという時代。
そのギラツキ感が映画の中でも出てますね。
挫折して真当には浮かび上がれそうにない奴らが
犯罪で再起をかける。
ハングリーさが顔にでてる役者たちに
ぴったりな犯罪ものです。
しかも、人情話でもあります。
出所間近の仲代達矢が平幹二朗から仕事を頼まれる。
行くとこなければ女を訪ねなと言われて
女のとこに行くと3人の男の殺しを依頼される。
何も詳しいことは聞くなという条件で
仲代達矢は男たちのもとを訪ねるのだが、
仲代達矢と同時期に
物騒な二人組の外国人も男たちのもとを訪れていて……。
そんな感じの犯罪の匂いがプンプンする出だし。
仲代達矢はもともとは
出世コースにのったサラリーマンだったのだが
交通事故ですべてを失った男なのです。
それでもう投げやりなんすね、人生。
まあ、だから平幹二朗の変な依頼も受けるんだけど、
人殺しには抵抗があってどうしようか迷い続けている。
裏の犯罪の道に行くしかないのか、
それとも表の道で再起をかけるべきなのか。
心の天秤はどちらに行くかわからない中、
標的だった男の残した小さな娘との出会いで
魂を取り戻していく。
魂を取り戻すために戦う。
そういう人情ストーリーに後半はなっていきます。
子役の女の子がいいんすよ。
いかにもできる子役って感じの子役なんだよなあ。
身寄りのなくなった小さな女の子においちゃーんと
頼られたことで仲代達矢の中で
死んでいなかった魂が息を吹き返していく。
おっさんと幼い女の子の組み合わせはぐっとくるなあ。
五匹の紳士の5人って誰だろ。
平幹二朗、井川比佐志、田中邦衛、中谷一郎、仲代達矢か。
それぞれがそれぞれ訳ありで沈んだ人生を生きる。
みんな褒められたような生き方じゃないということで
野蛮な五匹であり、
またそれぞれの生きる希望のために人生をかけるところが
紳士っていうことなのだろうか。
5人に襲いかかる香港マフィア役の天本英世も
いい味出てましたねえ。
アトデ~、アトデ~っていうのが
警察コントみたいで印象に残ってます。