藤純子の任侠ものです。
1968年東映映画。
最初から富司純子が歌う主題歌の微妙な下手さ加減がおもしろい。
これ主演は富司純子なんすけど、
というか主演は高倉健じゃないか?
任侠もので人気だった高倉健の力を借りて、
新しい女任侠ものを富司純子で立ち上げたということか。
ヤクザの親分の娘だけど、
堅気と結婚できるように
普通の娘として育てられた富司純子だが
祝言が決まったところ親分が辻斬り強盗にあって死んでしまう。
堅気の男との結婚もなくなり、
縄張りもどさくさでとられ、
組は解散、一人で侠客となり父親の仇を探す富司純子という話。
まあ、そんで高倉健は重要人物として出てきます。
最後の仇討を高倉健がやっちゃうんだよ。
富司純子の仇が、高倉健の兄弟分の大木実だった。
兄弟分への義理から大木実が辻斬り強盗の犯人と言えない高倉健。
義理と人情、義理が勝つのが任侠道ってわけなんすけど、
大木実の調子乗った悪行に激怒して最後は決着つけます。
富司純子が最後、待田京介と一緒に殴り込みにいって
大木実をやろうとするんだけど負けそうになるとこで
高倉健登場でそのまま高倉健がとどめをさす。
え~みたいな。
富司純子の仇討ちはこれでいいのかみたいな決着なんすよ。
まあ、映画の最初から、
あんた女だよ、侠客気取っててもやっぱり女、
ヤクザの世界になんかいちゃいけないっていう
高倉健の思いがあるんすよ。
一目ぼれもしてますからね。
惚れた女に人殺しをさせたくないという男気なんだろうね。
まあ、でも富司純子は拳銃と笛に仕込んだドスで
雑魚キャラを殺しまくってるんだけどね。
あれは死んでないのかな。
やっぱ主演というか印象が強いのは高倉健ですね。
高倉健のキャラクターのほうが深みがありますからね。
富司純子に惚れたが思いを告げられない苦悩。
富司純子の仇が兄弟分だと知っても義理立てして
本当のことを告げられない苦悩。
その結果、富司純子の子分を死なせてしまう。
いろんな思いに縛られて
苦しむ任侠男って感じでいいキャラなんすよ。
富司純子のほうはこれに比べるとちょっと弱いかな。
大木実と高倉健のドラマになっちゃってるからなあ。
辻斬り強盗にまで落ちた大木実だが、
今じゃ組をかまえて羽振り良くやってる新興ヤクザ。
高倉健が正しくて自分が下衆なのはわかっちゃいるけど
今更引くに引けない。
最終的にかつての兄弟分、
高倉健と大木実の対決ドラマになってて
富司純子の話はその一部分って感じなんすよ。
まあでも定番の任侠ものストーリーで
高倉健も富司純子も男振り女振りがすごくて
画面を見てるだけでもちますね。
着物姿の見た目の良さがすごい。
コミカルな役で若山富三郎、山城新伍などもでてきて
富司純子を盛り立ててましたな。
動画緋牡丹博徒