予告編のイメージ映像の羅列のほうが映画本編よりもおもしろい。
フローレンス・ピューが出てるから見てみようかっていう人もいると思うけど、フローレンス・ピューは前半に出てきてすぐにいなくなります。前半は彼女が主役。いなくなってからは友達のメイジー・ウィリアムズが主人公。
お話は学園もの。学校が舞台。まあ、家族ドラマかな。思春期の不安定な精神と、世の中や親を呪うすさんだ気持ちの映画。
フローレンス・ピューとメイジー・ウィリアムズは親友でいつも一緒です。フローレンス・ピューがメイジー・ウィリアムズの兄と車でやって、フローレンス・ピューが妊娠。
どうにかおろさなきゃって、兄貴は激しい運動したらおろせるらしいぜとかいって、みんなでダンスしたりとかバカなことやってるあいだに、学校の廊下でフローレンス・ピューが気絶して倒れてそのまま死んでしまう。
フローレンス・ピューが死んだ喪失感が埋められないメイジー・ウィリアムズの精神は不安定になり、彼女も失神して倒れるようになる。
その失神は伝染していき、教師が倒れたり、同級生もバタバタと集会で倒れたりするようになります。メイジー・ウィリアムズはもともと問題児なんすよ。
母親とも仲めちゃ悪い。母親は美容師で自宅で客の髪をセットしたりしてます。父親は出ていっていない。兄貴はなにしてんのかわからない。
なんかこの兄貴が気持ち悪いんだ。フローレンス・ピューを妊娠させたやつなんだけど、フローレンス・ピューが妊娠してもなんも思わないし、死んでもなんも思ってないみたいです。
なぜかメイジー・ウィリアムズとべたべたしだして、セックスにおよんだりする。き、きもちわりー。メイジー・ウィリアムズは自分がフローレンス・ピューになったつもりで、兄とそういう関係になろうとしたのか。
よくわからないけど、とにかく気持ちが悪い。
集団ヒステリーがおきて、失神ブームがおきた学園。校長はメイジー・ウィリアムズを問題視して、彼女を他の生徒から遠ざけて対処しようとします。
とにかく教師や親、大人たちに反抗的な態度を取り続けるメイジー・ウィリアムズ。母親が自分を愛してないことにいらついています。
まあ、その理由が最後にわかるんだけどね。ベッドで兄貴とセックスしてると、母親が激怒して兄貴を家から追い出す。なにやってんだって。
母親と口論になって父親がどうのこうのの話になって、実はメイジー・ウィリアムズの父親は出ていった父親とは別にいるということがわかります。
どんな人なの、生きてるのって聞くんだけど、わかんない。なぜかというとレイプされたらしいんです。そのときに妊娠してできたのがメイジー・ウィリアムズってわけ。
だから母親はメイジー・ウィリアムズによそよそしかったんだとわかって納得するメイジー・ウィリアムズ。成長するにつれ、メイジー・ウィリアムズを見るたびにレイプされたことを思い出す。それに耐えられなくて母親は彼女を無視していたのだ。
あははーってちょっとおかしくなったメイジー・ウィリアムズは外にとびだして大きな木の上にのぼって、下の池に飛び降りる。追いかけてきた母親が池のなかにはいってメイジー・ウィリアムズを助け起こして抱き合う。
おしまい……。だったかな。
なんか不安なムード、居心地の悪い雰囲気がずっと漂ってる映画でした。思春期の醜さが画面から漂ってくるような映画だったなあ。
森のきれいな映像、学園で少女たちがたわむれる映像、フラッシュのようにチカチカとサブリミナル効果のように挿入される映像、木琴を伴奏にした気味の悪い合唱。
スタイリッシュなようで、すべてが不気味。思春期の子供は醜い。
十代の自分も醜い生き物だったなと思い出させてくれる。いやー、なんか十代の学園ドラマってキラキラ楽しい感じで描かれることもあるけど、実際は暗黒時代ですよねえ。
十代の子供なんてどうかしてるやつしかいないんだから、そんなおかしなやつらが何十人も何百人も同じとこに集められてつめこまれてたら、問題おきないほうがおかしいよ。
フローレンス・ピューが目当てなら前半だけ見ればいいかな。時間がない人は予告編だけ見れば十分だ。