群馬でクラシックの交響楽団を立ち上げて奮闘する人々のドラマ。市民楽団なので、別に本業の仕事をしてる人や、音楽の経験の少ない人たちの集まりです。楽団員の入れ替わりも激しい。
いろんな理由でやめていくもの、新しくやってくるもの。小林桂樹はマネジャー。仕事はあちこちの学校を訪ねての演奏会。山奥の小学校とか、遠方に出かけていって演奏する。収入は微々たるもので補助金が頼りの運営。
岡田英次がヴァイオリン、バンマスとしてやってきて、やる気のないやつはやめてくれってもめて楽団の雰囲気は最悪です。お金はない、楽団員は不足、練習場所は喫茶店の2階で腕もあがらない。このままではいつ終わってもおかしくないみたいな。
岸恵子はピアノ。けっこう才能あるっぽいですけど、自前のピアノもなくて、練習もおぼつかないので音楽に全力ってわけにもいかない。
岡田英次はけっこうやり手で、東京の楽団とかから引き合いがあるみたいなんだけど、岸恵子に惚れちゃって一緒になっちゃう。
子供産まれて、岸恵子はますます生活にうもれて音楽から離れていく。楽団も解散寸前。最後に山奥の学校での演奏会をやって解散しようってなる。でもそこで目を輝かして楽団員たちの演奏を楽しむ子供たちを見て、
やっぱり俺達は音楽が好きだ~って頑張ります。
そういう苦労しっぱなしの楽団の様子を描いていきます。演奏会のシーンがけっこういっぱいあって、時間もたっぷり映すので、この映画の上映時間は2時間半と長尺です。
これがなあ、もうちょっとコンパクトにおさめてほしいところでしたね。ドラマはおもしろかった。とくになんにもないんだけど。
小学校で児童の前で演奏しても、あんまり聞いてもらえなくてしょんぼりして帰る楽団員たちに、ひとりの女の子が花をプレゼントしてくれる。
岸恵子は感激。団員たちもニッコリです。一人でもよかったと思ってくれて笑ってくれる人がいれば、続けていけるって、楽団員は暗い気持ちを吹き飛ばす。
人前でなにかする職業は一度やったらやめられないってよく言いますけど、そうなんだろね。役者とかミュージシャンとか、一度その快楽を味わうとやみつきになってやめられない。売れなくても食えなくても、その快感にかえられない。
誰かによかったよ、ありがとうって一言言われるだけですべての苦労や苦しみがふっとぶ。そんなもんですねえ。
列車の窓やドアからはみだすぐらいに人だらけ。駅のまわりは道がぬかるんでたりで道も舗装もされてない。戦後混乱期はすぎたけど、まだまだ食うのに必死な時代に、音楽を楽しもう、文化的なことをやろうと奮闘する。
大変だけど活気はすごい。そういう時代を感じる。