一家が引っ越してくる。母親に子供3人。イギリスからアメリカの母の生家に家族そろって移住してきたらしいのだが、夫がいません。息子が21歳になるまでは、目立たぬように隠れて暮らそうって母親が言ってて、なんかわけありなんだろなって。
家族構成は長男、次男、長女、三男。まあ、のちのち三男ではないのがわかるんだけどね。引っ越ししてすぐにアニャ・テイラー=ジョイと知り合って仲良くなります。
それで母親が体悪くして死んでしまう。でも死んだのを隠して生活してます。なにかに怯えながら、兄弟で助け合って生活してるところに、バーンって銃声が響く。なんだって思ったら窓に縦断のあとがあって、外を見るとライフルをもった男がいて……。
そして半年後、長男のジョージ・マッケイはときどき町へ買い出しにいったりなんかしてひっそりと生活してます。弁護士に母親が生家を相続する手続きをやってもらったりなんかしてます。
ジョージ・マッケイとアニャ・テイラー=ジョイはお互い好きあって恋人関係だが、周囲には隠している。ジョージ・マッケイが隠れたような生活してるから。
弁護士の男がアニャ・テイラー=ジョイのことをいいと思っててちょっかいかけてくる。
次男、長女、三男は家にこもりっきりの変な生活が続いている。屋根裏部屋には決して近づくなという兄弟たちの約束。たびたび奇妙な物音や気配を感じて、怖い体験をする子供たち。
徐々に彼らがなにから逃げているのか、なにが起きているのかが明らかになっていきます。
父親が極悪人。連続強盗殺人とかやっちゃうやばいやつで、ジョージ・マッケイが警察に密告して捕まった。それで一家は父親から逃げるためにアメリカへ渡ったってわけ。父親が奪った金もこっそり持ってきてます。
そんな狂犬が脱獄して家族を追って家まで来たってわけ。あのライフル男が父親だった。あれ?何事もなかったように一家は暮らしてたけど、父親どうなったんって思ったら、屋根裏部屋に閉じ込めてほったらかしにしたらしい。
変な物音や気配は、閉じ込められた父親で、しかもまだ生きているのがわかってどうしよどうしよってなる。
アニャ・テイラー=ジョイにふられてむしゃくしゃして、お金も必要になった弁護士野郎が、サインを偽造しただろ、ばらされたくなければ秘密のお金をよこせとおどしてくる。
もう隠しきれない、どうしようもないって追い込まれていくんだけど、ここからさらにもうひとひねり展開です。
屋根裏部屋に閉じ込められているのは、父親だけじゃなくて、次男、長女、三男もなんです。まあ、三男ではなくて、父親が長女をレイプしてできたらしい子供みたいですけど。
屋根裏部屋に避難してる3人のもとに、父親が煙突からおりて侵入。ジョージ・マッケイは彼らを助けることができず、無念の思いにとらわれ続けて、精神が崩壊。幻の3人を心の中に作り出し、3人は生きていると思い込んで生活を続けていた。
多重人格になって、自分ひとりしかいないのに、兄弟といっしょに暮らしていると自分で自分を騙し続けていたのだ。
最後は、しぶとく生きていた父親がアニャ・テイラー=ジョイを襲うんだけど、勇気をふりしぼったジョージ・マッケイは今度は扉をあけて助けに入ってライフルで父親をしとめて終結。
ラストは精神科の医者とアニャ・テイラー=ジョイがジョージ・マッケイの多重人格の病気のことを話して、薬をうけとってあの家に帰宅する。カウチで寝て待っているのはジョージ・マッケイ。
薬はもらっても飲んでいないようです。今もジョージ・マッケイのなかには兄弟たちが生きていて幸福な暮らしをしている幻影を見続けているようだ。おしまい。
なんか明るいエンディングに描かれてたけど、そんな明るい最後かな、これ?
なんか怖くない?アニャ・テイラー=ジョイはなぜここまで献身的なのか。愛しているから、だけではなんかいまいち説得力ないような。愛してたらなんでもいいんかい?
ジョージ・マッケイはずっとお花畑状態。惨劇の舞台になった家で楽しく暮らせるのか。どんな神経タフなんだ。
そもそもの父親が怖すぎる。のどをナイフで思いっきり刺されてたのに死なずに生きてるし。屋根裏部屋に閉じ込められて、鳥とか食べて、雨水ためて生き延びていたというのもすごすぎる。
いやもっといえば脱獄してアメリカまでやってきてるのがすごいよ。どうやってイギリスからアメリカに行けたのか。
父親もジョージ・マッケイの幻想の中の住人かと思ったけど、父親は実在してるよね。
うーん、なんかすっきりしない終わり方だったなあ。ミステリーが好きな人にはおすすめかな。
アニャ・テイラー=ジョイやミア・ゴス目当てだと、それほど見る価値ないかな。