相当期待を膨らませて映画館まで行ったんだけど、見始めて、すぐにあれ?なんか違うって思っちゃった。期待していたのはこういうのじゃないってなってあまりおもしろく感じなかったものです。
いやー、おもしろいところはところどころあるけど、全体的な世界観の描写がマンガっぽいのがちょっと期待していたのとは違うなあみたいな。もっとシリアスなものを期待してたんだな。アメコミっぽいノリだったのがなんか違うなあみたいな。衣装が安いSMクラブみたいなのもかっこいいとは思えなかった。
リアル世界の描写もなんか古臭いというかなあ。デザイン的にかっこいいとは思えなかったし。話題のバレットタイムの映像はさすがのおもしろさでよかったけど、それ以外の部分が古臭いサイバーパンクのレベルを脱してないのががっかりしたんだなあ。
新しい映像と古臭い映像とが混在してて、意外に古臭い映像のほうが多いっていうね。バレットタイムもさ、バレットタイムする前後の映像はあんまりかっこいい映像になってないんすよ。よくマトリックスを評するときに、スタイリッシュな映像と言うけど、それほどスタイリッシュではないんですよ実際。
アニメやマンガっぽいのをスタイリッシュというのであれば、そのとおりなんだけど。まあとにかくがっかりしたのをおぼえてます。新世代のサイバーSFを見れるぞと思って行ったら、旧世代の詰め合わせを見せられた。そんな感じでした。当時、見終わって朝方始発で帰宅する電車のなかで、うーん、なんだろなってモヤモヤして帰ったのを思い出します。
革新的な新しい映像で、シリアスなSFが見れると思って期待したのに、見せられたのはマンガを実写にしたような古臭いマンガ映画だった。公開当時見た感想はそんな感じ。
今回見直しても同じような感想になっちゃったなあ。やっぱりマンガみたいな映像があんまり好きになれない。いいシーンはいっぱいあります。お、ってなるところ。
地下鉄のところでキアヌ・リーブスとエージェント・スミスが戦うシーンで、キアヌが善戦するもやっぱり敵わずダウンするけど、立ち上がり、呼吸を整えてブルース・リーポーズをきめるところとか、グッと来る。
映像や世界観のセンスはいまいち好きになれないけどもストーリーはいいですね。
ストーリーはすごくいいです。マトリックスって映像のことばかり言われるけど、映像よりストーリーがものすごくいいと思います。救世主誕生譚としてよくできてる。救世主を導くモーフィアス。救世主に違いないと信じるトリニティ。
二人の信じる力に戸惑いながらもこたえていくネオ。そしてほんとうに救世主として覚醒する。救世主誕生の物語としてシンプルで力強いストーリー。そこがマトリックスのよいところ。
まあでも逆の感想の人のほうが多いみたいですね。映像はいいけど話がつまらないって言ってる人のほうが多い印象だなあ。自分としては話はいいのに描き方がマンガすぎていまいちって感じです。
続編のリローデッドやレボリューションズになるとマンガなムードが加速。話は1で終わってるのに無理やり広げようとしてるだけに見えちゃって、ビデオで2本とも見たと思うけどもうなんにも覚えてないなあ。
ウォシャウスキー監督ってマトリックスのイメージが強くて、その後もなんかSFばっか作ってるけど、デビュー作「バウンド」はサスペンスでしたなあ。あれけっこう好きなんだけどね。またああいうSFじゃないやつを作らないのかな?
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