主人公は盲目で鍼医を目指して修行中。針治療する医者。宮廷医の目にとまって宮廷で1ヶ月住み込みで働くことになる。これで出世できたら、弟の病気の薬代にも困らないしがんばるぞって仕事に精を出す。
盲目なんだけど、実は暗闇では少し見えます。明るいところではまったく見えないけど、暗闇だとぼんやりとだけど、下手な字で手紙を書くことができるぐらいには見える。
でもそれを周囲には隠しています。盲人が少し見えるとわかったら、周囲の人間は警戒するしめんどくさいことになるから、完全に見えない人間を演じたほうが気楽だってな感じかな。
そんで今、王朝は揺れ動いていた。清に人質としてわたっていた王子が帰還する。歴史のことをよく知らないのでよくわからないけど、清が大国としてのしてきてて明が滅んでて、でも今の王は清のことをよく思ってなくてみたいな。
帰ってきた息子は清と友好関係を築くべきだと父親である王に進言するのだが、王はそれを快く思ってない。政治家は王子支持で王に新しい政治をするように促したいと思ってる。
まあ、そんな感じで政局が不安定になってるわけ。そこで盲目の主人公は王子と仲良くなって目が少し見えることがバレても咎められることなくルーペをプレゼントしてくれたりとかして、順調に出世していくかに見えた。
そんなときに王子が具合が悪いから治療するということで宮廷医が鍼治療するのに助手としてつきそう主人公。だがどうも様子がおかしい。ローソクの明かりが消えて暗闇になったときに見えたのは、宮廷医が王子に毒をぬった鍼をうって王子を殺そうとしているところだった……。
まあ、そっからいろいろとあります。見たけど見たとは言えない。どうにか信頼できる人にこのことを伝えてどうにかしないとと思うが、自分が容疑者としてあやしまれて危機一髪。
すべては王が仕組んだことだとわかって、ただの身分の低い盲人である自分が王に逆らうことなどできるのかと絶望とかする。
見えないふりをして、見たことをなしにして、通り過ぎるのを待つしかないのか。権力者の横暴を見咎めて声をあげようものなら命の保証はないわけで。
うわー、やばい!っていう状況に何度もなるけど、なんとか切り抜けていく。それはいいんだけど、けっこう大味すぎるような気がする。
王の右手を鍼で麻痺させて左手で文字をかかせるミッションとかさ。いや、けっこう無茶あるよって思っちゃったなあ。前半の地に足がついたしっかりした描写にくらべて、後半はエンタメ度があがりすぎててちょっと萎えた感じ。
もうおれができることは全部やった、もう逃げようって宮廷をあとにしようとするんだけど、王子の息子が自分の弟と同じ年代で気になってて舞い戻る。
宮廷医が王子と同じように毒鍼で殺そうとしてるのを阻止。王は政治家に暗殺の証拠をつきつけられて失脚するのかと思いきや、政治家と取引して命はとられずで終わる。
命をかけたのにこんな終わり方ないよって、主人公は自分がすべて見た、王が王子を殺す命令をだしたとみなの前で告発する。
主人公のキャラ設定が物語をあらわしてるところがおもしろいですね。見ようと思えば見えるけど完全な盲人のふりをして生きるほうが、世渡りしやすいから見えないふり。
長いものにはまかれろじゃないけど、庶民は権力者の横暴を見てみぬふりするしか生きる道はない。そこをのりこえてこそほんとうの正義がなされるみたいな。
主人公は打首になるところだったけど、処刑官たちによって逃される。そして村で鍼医として働き、4年後、名医として知られるような存在になる。
その噂をききつけた宮廷から、王の治療をしてくれと依頼があって、主人公は出向く。そして王の脳天に致死の鍼をうちこんで王を殺す。
目を閉じ口をつぐみ見て見ぬふりをするのではなく、声をあげ、戦った主人公が最後には勝ったという終わり方。
まあ、どうなんすかね、やっぱり後半は大味すぎると感じたかな。