この構造はなかなかよかったです。伝記映画って退屈だから、こういう感じで、別のキャラクターを主人公にして、そこからの視点で描くっていうやり方はいいですね。
マシュー・リスは父親のクリス・クーパーのことが許せない。母親が死ぬというときに父親はおらず、家庭をかえりみることなく自分を捨てたことに腹を立て続けている。クリス・クーパーと姉の結婚式で再会してケンカになる。
今はもう反省してるとか軽く言うお調子者な父親の態度に我慢ならなくて、怒りが爆発してしまったのだ。
そんなとき仕事で、フレッド・ロジャースを取材することになる。簡単な紹介記事を書くどうでもいい仕事のはずだったが、フレッド・ロジャースと交流することで、彼の人間にふれ、話をすることでマシュー・リスの心境に変化がおとずれる。
そんな感じのヒューマンドラマになってます。
人に接するとき、忍耐をもって平穏な状態をたもつ。自分を律し続ける。そういう強さをもってる人って感じだったなあ。
マシュー・リスは父親への憎悪で燃えている。怒りが心のなかでうずまいてそれに支配されている。そうなることで、また自分も父親のように周囲の人間を傷つけることになっちゃってる。
普通はこうなりますよね。親がらみとかですごい嫌なことがあって、自分はそうなりたくないと思ってるはずなのに、憎悪にとらわれて、なりたくない親と同じようなことをしてしまう。
そうならないためには、自分を律することを知らなくてはいけない。
なんか難しいけどね。頭でわかっててもなかなか実践できるもんじゃない。フレッド・ロジャースもべつに聖人っていうわけでもなく、毎日毎日、会う人会う人に辛抱強く向き合うことを続けているって感じでした。
行をおこなう修道士のようだ。それぐらい真面目に日々の瞬間を過ごさないと、いい加減ではダメってことですよねえ。