いったい何を見せられてるんだって、ちょっと呆れて笑っちゃうエンディングだった。コメディだ。大真面目に見てたのが、馬鹿らしくなるぐらい。デイミアン・チャゼル監督、マイルズ・テラー、J・K・シモンズ出演。
マイルズ・テラーは名門音楽学校の1年生でジャズのドラマーです。その学校の名物教師をJ・K・シモンズが演じてます。マイルズ・テラーは最高のドラマーになるんだ、おれはジャズの音楽史に残るようなプレイヤーになるんだって思ってる。
J・K・シモンズの目にとまり、彼のクラスのバンドに呼ばれるんだけど、きっついシゴキをうける。かわいがり。テンポが違う、速い、遅い、速い、遅いって繰り返し罵倒される。シモンズが絶対。彼の言うことが絶対であり、そこから外れたものは排除される世界。
高速ドラミングをやらせて、もっと速く速く速くって指が血だらけになるまで3人のドラマーを追い込んだりします。
まあ、精神を破壊されるようなことをぶっ通しで何日もやられるんだけど、マイルズ・テラーは夢があるのでへこたれません。猛練習猛練習で自分を追い込んでいく。
夢があるからというより、ちょっと頭がどうかしてるからと言ったほうがいいかもしれない。
映画館で知り合ったいい感じの女の子と、デートして付き合うんだけど、ぼくはドラムのことしか頭にないし、このままつきあってると、そのうち君を邪魔に思いだして険悪な関係になるから、
そうなる前にわかれようとか普通に言ういかれたやつです。真顔で。
偉大なドラマーになりたいから私が邪魔だってわけ?って彼女があきれて聞くと、そうだと真顔でこたえる。
いかれてるやつなんすよ。シモンズのほうもいかれてるやつ。生徒一人ひとりがどうなろうがどうでもいい。追い込んで追い込んで、そこから誰か生き残って自分の理想とする音を出すやつがでてくればいいって感じ。
どっちもいかれてる。音楽の最高の瞬間をものにするためには他はどうでもいいっていう思考。
二人は似た者同士なんすよ。
シモンズが適当にマイルズ・テラーをいたぶってて、マイルズ・テラーが被害者のように見えるけど、実際のところはそうではないんすよ。マイルズ・テラーはシモンズの無理難題をこなさなければならない当然の課題ぐらいにしか思ってない。
偉大なドラマーになるんだから、要求されたことができて当たり前ぐらいになってる。まあ、追い込まれて精神的におかしくなってて、思考停止でそう思い込んでるだけかもしれないけど。
そんでバンドがコンテストに出ることになるんだけど、マイルズ・テラーは遅刻しちゃう。バスがパンクして立ち往生、レンタカーで急いで会場に行ったけど、遅刻だから別のやつにドラム叩かせるとシモンズが言う。
でも全然あきらめません。おれのドラムだ、おれのパートは誰にも叩かせないぞとブチギレるマイルズ・テラー。
じゃあ、たたけ、だが少しでもミスすれば終わりだぞってなる。レンタカー屋にドラムスティックを忘れたのを取りにもどって急いで車を走らせてるとこにトラックがつっこんできて交通事故で血だらけ。
うわー、終わったって思ったけど終わらない。
それでも会場にもどってきてドラムを叩こうとする。血だらけだし、手はまともに動かないしでたたけない。お前は終わりだなってシモンズに言われて、激昂してシモンズに掴みかかるマイルズ・テラー。
シモンズじゃなくて、もはやマイルズ・テラーのほうの異常性がすごいのよ。まあ、そうなるとこまで追い込んでるのがシモンズなのでどっちも異常だけど。
マイルズ・テラーは学校やめて、ドラムからも遠ざかる。シモンズの元教え子が自殺した件でマイルズ・テラーにも話を聞きたいってことになって、シモンズの指導方法に問題がなかったかって聞き取りされます。
そしてときは少し流れて、マイルズ・テラーは新しい生活を始めている。偶然通りかかったジャズバーでシモンズが演奏しているのを見かけて、二人は再会して世間話。シモンズは学校をやめさせられて今は別のバンドをやってる。
ところで、今のバンドのドラムがいまいちなんだ、おまえ叩いてみる気ないか?って言われてマイルズ・テラーはOKします。あれだけの騒ぎをおこして、もうこりごりかと思いきや、ドラムのことは忘れられてない。
それにしてもシモンズのバンドにまた入ろうとしなくてもいいようなもんだけど、シモンズのバンドの音がすぐれていると思っているんだろね。人間性は最悪。でも音楽としてはいいからほかはどうでもいい。音楽基準で考えてる。
そんでフェスティバルで演奏するんだけど、始まる前に、シモンズが耳打ちする。知ってるぞ、お前が密告したんだろ、おれは甘くないぞって。それで曲が始まるんだけど、マイルズ・テラーのとこだけ別の楽譜が置いてる。
どう叩いていいかわからない。あわわわってひどいドラムをたたいてパニック状態になるマイルズ・テラー。シモンズがバンドに誘ったのは、復讐のためだったのだ。音楽関係者が注目する場でマイルズ・テラーに恥をかかせてミュージシャンとして破滅させる計画。
アワワワってなって舞台袖に逃げていくマイルズ・テラー。父親に抱きしめられて、もういい、帰ろうと慰められる。ここで帰るのかと思いきや、ステージに戻ってドラムの前に座ります。
なんだこいつ?まだやろうってのかってシモンズは怪訝に思うんだけど、次の曲は~ってすすめようとするとマイルズ・テラーが勝手にドラムを叩き出す。めちゃくちゃに激しいドラミング。な、なんだ?って唖然とするシモンズを尻目に、合図するから続けってベースに指示だしてマイルズ・テラー主導で演奏を始める。
もうこっからマイルズ・テラーの独壇場。おいらはドラマーやくざなドラマー状態。激アツなドラムに引っ張られてバンドも熱い演奏を始める。
そしたらさ、シモンズものってくるのよ。これだ、これだ、この音、このテンポ、このスピードだってノリノリ。シンバルが倒れたのをそっとなおして、もっとこいもっとこい、そうだそうだってマイルズ・テラーのドラムをうながす。
邪魔するどころか、一緒に最高の音を作ろうぜって共同作業が始まる。
そして最高潮をむかえたところで、二人の視線があう。目と目があったらミラクル。二人は目と目で、いま最高の音がなってる、最高のジャズが奏でられてる瞬間だと確認し合う。
おしまい。
いやー、おもしろかった。音楽映画でもないし、スポ根映画でもない。コメディだ。ラブコメかな?いがみ合う、わかり合えない敵同士だと思っていたら、お仲間だった、同じ音楽という魔に魅了された同類だったというのがわかるというお話。
どうかしてるぜっていういかれた奴といかれた奴が同じ目的のためにもがいてたっていうだけ。仲悪い~って思ってたら、ココロの大事な一番深いところでわかり合ってる仲良しだった~っていうね。
ラブコメでこういうパターン定番ですよね。最初はいがみあってるけど、最後は似た者同士で仲良しでした~っていう。
おっさんと青年が音楽をとおして最高の瞬間を分かち合い、ソウルメイトを見つけたっていうラブコメだ。