とりあえず一度見るのやめたね。70年代のロスアンゼルスを舞台にした探偵もの。探偵のホアキン・フェニックスのもとに元カノが訪ねてくる。まずいことに巻き込まれそうだから助けてくれと。
なんでもロスの不動産王の妻が愛人と共謀して夫を病院に閉じ込める計画を立ててて、自分もそれに巻き込まれそうだと。元カノは不動産王の愛人のひとりをやってる。
じゃあ調べてみっかと不動産王の周辺を嗅ぎ回ると、元カノがいなくなったり、不動産王が失踪したり、死んだことになってるやつが生きていたり、何やらでっかい裏のやばいことが渦巻いていて、ホアキンが巻き込まれていくってわけ。
探偵小説、探偵が主人公のタフガイハードボイルドものの定番のお話です。なんでもない軽い依頼だと思って始めたら、とんでもないでかい裏の世界にぶち当たってしまって、探偵がボロボロになりながらも、対峙して生き延びるっていうね。
それを70年代のLAを舞台にしてるから、探偵のホアキン・フェニックスがヒッピーなんすよ。長髪で頬髭でクスリやってハッピーみたいなヒッピーでタフガイには見えない。そこがこの映画の特徴というか特色かな。
ヒッピー探偵。
おもしろいとこはそれだけです。探偵ものの基本的な展開で、どこかへ行って誰かと会って、話をして、またどこかへ行って……、誰かが訪ねてきて話をしての繰り返しをやるだけなので、退屈なんすよ。
まあ、それでだんだんと何が起きているのか、事件のあらましが徐々に露見していくんだけど、誰と誰がなにしてなにがどうなって、組織がどうのってややこしくてわかりにくくてどうでもいいって感じです。
結局、麻薬カルテルのからんだ話ってことでしたっけ。ドラッグを売る。ドラッグ厚生施設も運営。土地開発もからんでマッチポンプで丸儲けみたいな巨大裏産業の世界をホアキン・フェニックスは目撃する。
ジョシュ・ブローリンのチョコバナナの食い方が卑猥でいやな感じするのが面白かったぐらいかな。あと変な日本語。モットペニケイク!モットペニケイク!モト、ペニケイクゥ!
日本人がやってるパンケーキ屋でジョシュ・ブローリンが飯食ってて、もっとパンケーキくれって日本語でオーダーするのがおかしくて。
坂本九の上を向いて歩こうが流れてたけど、SUKIYAKIとしてアメリカでヒットしたのこの時代だったんだ。
俳優たちのヘアスタイルや服装のなりきり度は高いので、70年代のファッションとか好きなら見てられるかも。
いやー、でもきついですけどね。ほんと時間の感覚がおかしくなる。時が止まったんじゃないかと思うぐらい映画が終わらない。
もしかして永遠に続くんじゃないかと思うぐらい全然映画が終わらない。
ホアキンが殴られてボコボコになりながらもケツは手で防御してたのにくすっとしながら、全然終わらない映画に早く終わってくれないかなと。
後半はけっこう動きあります。監禁されて脱出するシーンとか、いなくなった元カノがふらっと帰ってきて全裸で迫ってくるとか。
何度もストップして小分けにして見たけど、全然終わらないという不思議な映画。ほんとは10時間ぐらいあるんじゃないか、この映画。トリップしたい人は見てもいいかもしれないですね。