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『聖地には蜘蛛が巣を張る(原題:Holy Spider)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


これはおもしろかった。おもしろい話ではないですけどね。連続娼婦殺人事件の話。舞台はどこだっけ。イランだったかな。イランの聖地マシュハドで娼婦が殺される事件が連続しておきていた。それを記事にしようと女ジャーナリストがやってきて取材する。

犯人当ての話じゃないです。犯人が誰かは最初のほうで観客にはわかる。犯人視点での殺人の描写と記者視点の取材の描写があって、だんだん近づいていって、それが後半にクロスする。

記者がさ、かなり無茶する。自分が娼婦のふりして囮になって犯人と接触しようとかさ。それどうなん?って。だってよってきたやつが、犯人だとは限らないわけで。

ただ娼婦を買いにきた男だったらどうすんのとかさ。まあ、一発で犯人がやってきたのは、映画的なご都合主義でまあ別にええかなと。

事件の取材のなかで、さんざん嫌な目にあって、彼女はつねに怒ってます。

だから、もう取材とか記者とかの域をこえちゃってんの。女性がまともな扱いを受けない社会に苛ついて仕方ないみたいな。

犯人にも男社会にも怒り心頭。

都会から来てるみたいなんだけど、ホテルに部屋とろうとすると、独身ですか一人ですかと聞かれて、システムエラーで部屋が満室でとれませんとか言われる。予約してるのに。

わたしは記者でちゃんとした対応してくれよとごねると、お部屋とれましたとしれっと言う。

女性はまともな人間として扱われない。独身だとなおさら。実際、イランがどうなんだかよく知らないけど、こういうもんなんだろうなあと。

それで娼婦殺しは10人だか11人だかでものすごい数が連続してるんだけど、警察はそんな本腰いれて捜査はしてないみたいなんすよ。

殺されたのが娼婦で、そんなの死んでも仕方ないだろみたいな空気。聖地を汚すゴミを掃除しただけだという風潮すら世間にある。

警察はそのうちボロだすだろと呑気にかまえてるし、突っ張る女記者にあんま調子のんなよいつでもお前をどうにでもできるぞと脅してくるし、まったく信頼できない。

犯人が怖いのは当たり前だけど、警察も世間も同じに感じるというのが怖いところですね。

娼婦は死んで当然と思う世間だけど、娼婦として稼がないといけないような状況をうんでる社会には疑問をもたない。

犯人の殺人の様子もけっこう詳しく何回も描かれる。犯人は普通のおじさんって感じです。妻と子供二人いて、ときどき気難しくもなったりするけど、家庭人として普通の暮らししてる標準的なおじさん。

奥さんと子供が実家に泊まる日とかにさ、夜な夜なバイクで町を走り、娼婦をひろって家に連れ帰り、そこで絞殺して死体をまたバイクのケツにのせて運んで畑とかに遺棄。新聞社に犯行の電話をかける。

それを繰り返していた。けっこう目立つけど、10人以上やってて野放しってやばいな。

あるときの娼婦がめちゃくちゃガタイが良くてプロレスラーみたいなやつで、なかなか絞め殺すことが出来なくて苦労するとかあって、ちょっとブラックジョークみたいで、怖いけど笑えるシーンになってた。

なんだこのおじさん……って。

殺人の動機がちょっとよくわからなかったです。本気で神の聖地を汚す存在だから、娼婦を殺しているというより、だんだんそういう気になっていったのではと思えた。

娼婦を買って抱いて性欲処理したいけど、それは神の教えに背くことだし、妻や子供がいるよき父親がやることではないという葛藤が娼婦を殺すという形になったのではないすかね。

自分自身の暗い欲望から目を逸らしたいがための殺人で、けっして信仰心からきてるものではないような気がしました。

そんで記者の囮にひっかかって犯人が捕まるんだけど、彼を英雄視する人たちもいるわけ。よくやった的な。息子にお父さんは神の御心に従ってやることやっただけだから気にすんなみたいなこと言う周囲。

それを聞いて息子は、そうなんだ、アハハ、父さんは悪くないんだ、って明るくなっていくのが怖い。

まあ、なんだかんだといっても、やってることは大量殺人なので死刑判決がでる。

でも、犯人のとこに、検事がやってきて、裁判では世間の手前厳しいこと言わなくちゃいけなくて、すまんかったなあ、死刑はどうにかするから、執行のときドア開けとくからそこから外の車に乗れやとか、死刑にならないから大丈夫みたいな話をする。

どういうことだ?そんなことありうる?ってどうなるか見てたんだけど、死刑は執行されました。あれはなんだったんだ。

それで女記者は町を後にするんだが、帰りのバスのなかで取材したビデオを見返す。犯人の息子に話をきいたときのビデオ。そのなかで無邪気な様子で父親は正しいことをした、父親の跡を継いだらと言われることもあるよと笑顔で話し、

父がどうやって娼婦を殺したかの再現を小さな妹を娼婦に見立てて説明してみせる息子。

こりゃダメだ。

連続娼婦殺人の犯人は捕まって死刑になったけど、娼婦は死んでも仕方ないという思想はまったく死なず、受け継がれていく。

女記者の怒りが消える世界はやってこないだろうというエンディング。

これはきつい話だし、映像もけっこうショッキングなところ多いです。おもしろいというより、見応えがあったという感じかな。

かといって社会派ドラマで小難しいという作りではなく、クライム・サスペンスとしてエンタメをちゃんとしてる作りになってるところがよかったです。

最後、別れのほっぺにキスとかエンタメしてるし。

これ外国の話だから日本とは違うとか、昔の日本もこんなだったかもしれないけど、今は違うよね~とか思ってしまいそうだけど、

いやいやいや、そうでもないぞと。そんなに違わないんじゃないか。今いる自分の世界もこれとかわらないんではないか。まったくつながりがない話とは思えない。

説教臭くなりそうなお話で、つまんなそうな地味な作りになりそうなテーマだけど、ちゃんとエンタメしてたのがよかった。



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